捧げる印象十七題



右の眸は深海の一滴、その他のすべては夏の汀。

閃光、地平線上に星を墜とす。

薊と野ばらのソテー、シロツメクサを添えて

無差別に放たれる青いシグナルが、静かな夜に流星群を呼ぶ。

お砂糖、杏子、秘密を煮込んだジャムで綴じた百冊の本

空の色も地平の色も月の色も見に行ける、けれど今はここにいる。

春は白い衣を纏って、季節外れの雪と踊る。

すみれの花で染めた爪が、もう一度のびるころ、会いに来て。

吐息はさくらんぼ

ギターは銀河の色をした幽霊に、それ以外のことは全部、きみに習った。

この手は水、この足は水、体は世界を反射するけど、目だけは世界を閉じ込めたびいどろ。

純白の花束は七色の水を吸い上げる。

紅いリップは似合わないなんて、勝手に決めるのは止してね。

棚引く朝焼けに消える星が見た、最後の人。

幻だとしても、なおさら愛してる。

放て、まだ誰も見たことのない鳥を射よ。

私が硝子の林檎なら、貴方は罪など負わなかった。


- 4 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -