ある人の十二ヶ月


 
一月、星の消失に立ち会う

二月、触れない指なら落ちて

三月、魚は呼吸しない

四月、うろ覚えの夢を刈る

五月、地図に宛名を書き送る

六月、斑の海で回遊する

七月、思い起こせば何もない

八月、静寂と脆弱はよく似て

九月、蝋から炎は生めず

十月、傍らに花を散らした

十一月、口ほどにもなく枯れゆく

十二月、まだ覚えているのだろうか






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