BGMは某ジャ○ーズより←

出会う前→13歳と17歳→五年後と、視点切替が分かりにくいです。
自分用のカズケン設定整理。







周りの奴らなんてどうでも良かった。
モニターの向こうで鋭い目付きのウサギが相手を蹴散らしていく。
キーボードを勢い良く叩いてフィニッシュ。
OZからログアウトして付けていたヘッドフォンを外す。
ふと視線をカーテンが開いたままの窓に投げれば星が瞬いていた。





「よし」


真っ黒に染まったノートを閉じて、両腕を伸ばし息を吐く。
毎日単調な毎日。
学校、雑談、宿題、寝る、学校…当たり前の事だからこれ以上は求めない。
数学と向き合っている時は一つの事だけ考えてればいい。ぴしりと一つの答えは僕が導き出したもの。
風を求めて窓を開ければ星が瞬いていた。




夏が、始まる。



ーBelieveー




『まだ負けてません』


滲んだ視界にそう言い切った、普段は頼りなかった筈の男、小磯健二の真っ直ぐな視線が映った。
きっと僕はとうに捕われていたんだと思う。
この時…違う、きっと逢った時から。
僕は、この人を逢う為に産まれてきたんじゃないのかと思う程。



毎日に意味なんかないと思っていた世界はそれ程に色づいて息を吹き返した。






『健二さん、僕は貴方が好きだ』


四つ下の、見下ろさなきゃ視線の合わない少年は、僕が東京に帰る間際確かにそう言った。
突然の事に唖然としていれば彼は視線を和らげ微かに笑む。


『だから待ってて?』


その瞬間既に僕の心臓は波を打ち、君に半分持って行かれたというのに。




でも君が待って、と望むなら。






「健二さん、好きだよ。誰にも渡したくないんだ」


そして、彼は今もまっすぐに心をぶつけてくる。
腕の中に閉じ込めて、耳元で低く掠れた声で。
君を独占出来ているのは僕だというのにね。


(誰かがきっと待ってる
伝えたくて待ってる)



今なら言える。
僕は君を待っていたんだね。




「好きだよ、佳主馬くん」






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