ネタ vol.2013 | ナノ

◎つり球2

「やっぱり私には釣りは向いてないよ」


釣るよりも直接潜って取った方が絶対に早いってこれ。網さえ持たせてくれたら濱口も吃驚な魚取ってこれるよ。
一人諦めて釣り竿を仕舞い、山田くんのそばへ寄る。山田くんのそばはなんとなく居心地がいい。これが25歳か。恐るべし。

今日は無言で空を見た。
青い空が眩しくて、なんとなく流星街を思い出した。きたないところだったけれど、空はきれいだったのを覚えている。


「‥今日は静かなんだな」

「うるさい方が良かった?」

「別に」

「青空って見てると嬉しくなっちゃうよね」

「そうか? 変なやつ」

「夏休み、山田くんもどこか行こうよ」

「どこか?」

「夏は涼しいところがいいな。山田くんは行きたいところある?」

「特にない。出かける予定もない」


相変わらずかわいくない25歳だな。
まあ、常日頃から監視されてちゃこうなるのも仕方ないのかな。私は監視カメラへ向かってにっこりと手を振ってやった。気づいてますよアピールだ。そして手から電気を出すと、監視カメラに向かって飛ばした。ナイスヒット。


「‥っ!? 急にカメラが壊れただと」

「こわいねえ、どうしたんだろう」


山田くんににらまれたので帰りました。



20140326

mae tsugi

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