ネタ vol.2013 | ナノ

◎天才嫌いな天才

平凡でなんの取り柄もない、なんでこんな奴が忍者になれたんだと思うほどの、弱い少女のはずだった。


「班員がみんな死んじゃったのでこの班に配属されました。名前です、よろしく」


聞くところによると、C級任務で里の外へ出たときにとある犯罪組織に出くわしてしまったのだと言う。それにも拘らず、一人無傷で帰ってきたと。

−−普通じゃない。


「足は引っ張りませんので、安心してください」
「じゃ、名前にも波の国までへの護衛に参加するから」
「波の国って、鬼人の桃地さんの出身ですよね。今では…そうですねえ、ガトーカンパニーなんて有名でしょう」


目を三日月の形に細めて言う名前に、なぜか依頼人のタズナは冷や汗を垂らした。深くは気に止めなかったが、この少女へ対する疑念が強まった瞬間であった。


「いえ、ガトーカンパニーに関しては、良い噂を聞かないので言ってみただけですので、お気になさらず」
「そう。じゃあ、行くか」


にんまりと笑う少女が気味悪くて仕方がない。心臓を掴まれているような圧迫感がさきほどから止まない。
サスケはこの少女と面識があるようで、少女を射抜くように見つめていて、サクラはそんなサスケを見て少女に不満を抱いている。ナルトはこれからの任務に緊張している。"もしも"のときに対応できるのは、自分しかいない。


「…おい、#name2」


ようやくサスケが少女に話しかけた。


「あの後、お前、どうしたんだ?」
「うん、骨を燃やしに行ってた」
「…?」
「でも、骨は燃えないね。結局砕いたよ」
「………」
「この血は私でお仕舞い」
「…おい、俺との約束はどうすんだよ」
「そのうち考えるよ。まずは私をどうやって処理しようか考えないといけないからね」
「…お前は、変わらないな」
「変わらないために変わっていくことを変わらないと言うなら、まあ、そうなんだろうね」


変わっている子だと思った。不気味な子だと思った。


「私は"天才"を生み出す血筋なんか滅びればいいと前々から思っていたから、お兄さんには感謝をしてるんだよ」
「…お前のそういうところ、嫌いだ」
「それはどうも。サスケと殺し合うのは全部終わってからね」
「…終わらない癖によく言うぜ」
「"天才"相手なんだから、そう簡単にはいかないよ。まだ予定のないカカシ先生にもこんなに警戒されてるんだよ。他の"天才"たちが私に何も対策をしていないと思う?」
「俺は!違う!」
「そうだね、君はやさしいからね。でも先に殺してなんかやらない」
「こっちだって、殺されるつもりはねえ」




20130310
疲れたので没〜

mae tsugi

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