ネタ vol.2013 | ナノ

◎ハリーポッターとなんだこの石は

 ハリー・ポッターと言えば、昔流行った小説で、ファンタジー作品として映画化もされているので知っている方も多いだろう。私も好きだった。何故私にホグワーツの入学の案内が来ないのか本気で考えていた。
 しかし、ようやく来た。ただし、生まれ変わったらという条件付きではあったが。

 説明しよう。私は一度死んでいる。
 そして、起きたら生まれ変わっていた。最初は赤ん坊らしく何も分からなかったのだが、成長するにつれて色々と思い出し、ホグワーツへやってきてようやく現状を把握したってわけだ。把握するまでが長すぎた。

 そこで、一つ問題があった。

「ベゾワール石はヤギの体内から発見され、その効能は――‥」

 ――ハリーが優秀なんだが?

 初めての魔法薬学の授業と聞けばもうお察しだろう。スネイプ先生だ。私が読んだ本ではハリー少年は何も分からずにハーマイオニーが手をぴんと挙げていたはずなんだ。流暢に答え始めるハリー少年に、ハーマイオニーも目を丸くしている。

「‥――これで、正解ですよね?」
「あ、ああ。皆、何故メモを取らない? 早く取りたまえ諸君。それとも‥メモを取らなくともこれくらいのことは頭に入っていると‥‥?」

 相変わらず嫌味なことを言うスネイプ先生にちょっと安心した。ハリー少年マジでどうした。
 答え終わるとにっこりと微笑んでスネイプ先生にとどめをさすのは本当にやめてやってほしい。行き場所をなくしてスネイプ先生周りに当たっちゃってるから。授業が終わっても不服そうだもの。

 メモも取らずにぼーっとしているが、スネイプ先生に注意されることはない。

 だって私は――‥、

「何ぼーっとしてるの? 次の授業に遅れるわよ、マルフォイ」

 ‥――マルフォイのポジションに生まれ変わってしまっていたのだから。


20141026

mae tsugi

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