中編 | ナノ


「名前が1位!?」
「まあ、実力を考えたら何もおかしくはありませんね」
「えっアイツそんなに強かったのか?いや、強いのは知ってたが」
「名前のNEXTは、一対一なら最強です」
「いやいやそんなことないよ、バーナビー」


一対多数でも最強さ。

ヒーローたちが雑談している中に揚々と入れば、一斉に注目された。
私がここに来ること自体珍しいことだから、仕方ないと言えば仕方ないことだろう。


「今日は君たちにお別れを言いに来たんだ」
「お別れ…?」
「今までヒーローとしてこの化け物と馴れ合いをしてくれてどうもありがとう。短い間だったけど、とっても不愉快だったよ」


にっこり。皮肉をたっぷりと込めて言ってやれば、ヒーローたちは少なからず怒りを露にする。


「誰かスカイハイを呼んでくれ!」誰かがそう叫ぶとネイサンが「もう連絡は入れたわよん」と言う。これで状況は安定したと思っているのだろうか?とても素晴らしい。平和ボケ出来るって素晴らしいことだと思うよ。
私は間違ってもそうはなりたくないけど。


「ばいばい。大嫌いだったよ、君たち」


タン、と後ろへ飛ぶと、私はそこから姿を消した。
きっと行方はスカイハイにしかわからない。わかるはずがない。

彼が来るも来ないも彼次第。
私からはもう動かない。

ここまで執着するほど好きだったんだなあ、と思うけれど、今さらそれを認めるほど私は綺麗ではなかった。


「可愛さ余って憎さ百倍、か」


私のヒーロー。私のキース。



20120618
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