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◎鬼人、ザブザ

ナルトの強い要望によりCランクの任務につくことになったわたしたち。
タズナと名乗る依頼人を見て、わたしは1人思案していた。
ーーどうも、胡散臭い。
生前、つまり前に生きていた世界で暗殺を家業としていたため、わたしは嘘や悪意には敏感だ。その経験から言わせてもらうと、この任務、レベルが高い。

「カカシさん、」

一応忠告しておこうと話しかけると、彼はすでに気づいていたらしく、小さくうなずかれた。
気づいているのならばいい。これくらい気づけなければプロではないのだから。

警戒を怠らずに進んでいれば、敵はとうとうわたしたちに襲いかかり、わたしたちの目の前でカカシさんが“千切れた”。

「サクラ、タズナさんをよろしく。ナルト、しっかり」
「わかったわ!」
「!」

今まで仲間がいたことはなかったからこんなこと考えたこともなかったけれど、仲間の心配をするのも案外悪くないかもしれない。なんて思った。

敵はそれほど強くはなく、カカシさんが倒してしまった。その際ナルトが怪我をしてしまったのらしいのだが、どうやら任務は続行されるらしい。










「全員伏せろ!」
「また敵ですか。タズナさんったらもー」
「ふざけてる場合か!名前、こいつはさっきのやつらとは桁違いだ」

少しふざけたら本気で怒られてしまった。何を怒っているのだろうか。別に目の前にいるザブザという男もわたしよりは弱いと思われるのだけど。
ザブザは抜け忍らしく、忍の世界では中々な強者だとカカシさんは言う。へえー、と声をもらすとザブザに睨まれてしまった。

「俺がお前たちくらいの年にはこの両手を真っ赤に染めていたものだ」
「手際悪いんですね、君は。わたしは返り血を浴びるなんて失態はおかしませんよ」
「…なんだと?ガキ」
「ていうかですねー、鬼人って言っても所詮アマチュアでしょう?あれですよね、ただの殺人鬼。生まれたときから毒を食らい電気を浴びてあらゆる拷問に耐えてきたこのわたしに敬意を示せって話ですよ」

言い終わるなりザブザはわたしへ狙いを定めたらしく、わたしの方へと向かってきた。カカシさんがわたしの名前を叫ぶ。わたしは笑った。

「名前!なんで目を瞑って…!」
「このガキ、目を瞑ったまま戦ってやがる…!舐めやがって!」

「最近腕がなまってましたから、いい準備運動になります」

円はわたしの得意分野だ。



20130205

mae tsugi

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