※雨宮くんが微々ヤンデレ
※病状は捏造です












 大好きだよ、て言ったらまあるい瞳がさらにまあるくなってそれがまるで青くくすんだ太陽に見えて僕と天馬みたいでああまた好きなところをみつけてしまった。その、嬉しくもまばたきを忘れてしまった驚愕をものともせず、僕はにこにことわらい続ける。会って2回目の、しかも同性に大好きって言われたときの反応としては普通だけどその普通すら天馬はかわいい、かわいい。ええっと、なんて言葉を選び泳ぐ視線も好き。

「う、うん!俺も太陽のこと好きだけど…って照れるよこれっ…!」

うああ、と掌で頬を挟んでほっぺたを赤くする天馬が、本当に泣きたいくらいすきなんだと思い知る。狭い狭い僕の世界に鮮烈に飛び込んだ光。ブラウン管越しよりはるかにきらきらしいあたたかさ。僕の名前も役立たずな心臓も天馬にあげるためにあったんだとすら思う。

「天馬」
「…太陽、どうかした?どっか痛い?」

 急に表情を曇らせ俯いた僕の肩に触れた掌から伝わる優しさが好きで好きで、どうしようもなかった。3つの音をなでるたびに痛む心。こんな心臓、君にあげる、あげる。大好きな天馬とサッカーにまみれて死んでしまえればと願いつづけた日は深く、そうしてこれからも続いていくんだって確信が甘い夢のように迫った。

「…うん、いたい、痛いんだ。だからさ、天馬」

 さっき見つけた天馬の好きなところ。まあるくくすんだ太陽。息を詰めた青が、ベッドにくるんと押し倒した驚愕から注がれる。

「僕の痛いの、消して?」

 塞いだくちびるから、こぼれすぎた大好きは伝わったかなあ。
 ああ ごめんなさい 僕のメシア。今からずっと君をたくさん傷つけてしまうから、どうかこんなにも天馬のことを好きになれた幸せすぎる僕をわすれないでください。








(そうして太陽は 芽生えた恋心で 風を焦がしてまいましたとさ)





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