桜色の記憶

桜色の記憶

 春の陽気に誘われる優哉のまぶたが重たげに瞬きをする。それに小さく笑ってあやすみたいに髪をすくって撫でた。するとそっと伸ばされた優哉の手が僕の空いた手を握る。指を絡ませてぎゅっと強く握れば、優哉はゆっくりとまぶたを閉じて口を綻ばせた。

 桜色に染まる――それは僕たちのはじまりの記憶。いつまで経ってもそれはきっと色褪せない。

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