別離-34

別離-34

「よかった。お揃いじゃないけど僕たちのペアリングな」

 左手を持ち上げて藤堂の手のひらと合わせると、重なり合った指輪がカチリと音を立てる。それがなんだかひどく嬉しくて、僕はふやけきった笑みを浮かべてしまう。ようやく僕と藤堂を繋ぐものができた気がする。そう思うだけで心が勇気づけられた。

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