「よかった。お揃いじゃないけど僕たちのペアリングな」 左手を持ち上げて藤堂の手のひらと合わせると、重なり合った指輪がカチリと音を立てる。それがなんだかひどく嬉しくて、僕はふやけきった笑みを浮かべてしまう。ようやく僕と藤堂を繋ぐものができた気がする。そう思うだけで心が勇気づけられた。