バラバラと世界が崩壊していく音が響く

「見ろよ」
熱風ではためく前髪を抑えつけながら目を開く
目の前に広がるのは赤々と燃える炎が
文明の最先端を象徴していた
巨大なビルを包み込んでいる様子
「燃えてる」
まるで世界の終わりのようだと思った。
昨日まで自分が生きていた世界が
バラバラと音を立てて崩れている
「世界の終わりみたい」
体を包むねっとりとした暑さに
頭をぼんやりさせつつ呟く。
すると私の隣に立つ晋助がいつものように
喉の奥で笑った
あぁ。
世界が崩れ、変わっても
この男は変わらない
「お前はのぞんでたんだろ?」
晋助が銜えた
煙管からゆらりゆらりと
細く煙が立ち上る
ゆっくりと紫の煙は燃えるように
真っ赤な空に溶けて消えていった
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