目の前が真っ暗になったみたいだ
嗚咽と涙しかでてこない
ぐずぐずぐずぐずぐずぐず
鼻をすする
みっともない
メイクなんてすべて流れ落ちた
一度沈んだ精神はなかなかに浮上しない
「なぁに泣いてんだよ」
かさついた唇を冷たい指がなぞる
「しっ…ん…じっ」
「ぁーはいはい大丈夫でちゅよー」
髪を撫でられて伸二の胸に顔を埋める
真っ赤なシャツに涙の跡がついた
「しんじぃ…っ」
子供をあやすみたいに背中を撫でられる
「で誰になかされたんだよ?」
伸二くんがお仕置きしてきてやるよ
かすれた甘い声が耳元で囁かれる
その台詞から頭の冷静な部分で事の重大さに気づいたけれども手遅れだなぁなんて思いながらまた目を閉じた
「とりあえず前払いな」
かさついた唇に暖かい舌が這う
キス一つで人殺しなんて軽いなぁ
ほんと



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