sit in the sun | ナノ

14-1


「映、起きろ。」
「んん・・・。」

うるさいなぁ、私は眠いんだよ。
バサッ

「さ、寒い!」

掛けていた毛布を奪い取られ、急に体温が奪い取られた。寒い!寒すぎる!!

「さっさと起きろ。」
「あ、跡部!?」

目を開けると、そこには跡部がいた。
さも当たり前のように立っているが、ここは女の子の部屋だぞ?
この不法侵入者め!
変態!

「せっかく起こしてやったのに、随分な言い草だな。」
「うるさい変態。」
「はっ別にお前なんかに欲情しねぇよ。」
「変態!!!」

ガバッと枕を投げつけた。
が、簡単にそれは取られた。ッキー!

「朝から元気なもんだな。」
「ええ、変態のおかげで。」
「・・・そうか。」

一瞬、跡部が優しく笑った気がした。が、気のせいだろう。

「着替えたいんですが・・・いつまで居座るつもりですか?」

ベットから立ち上がり、ジャージを手に取りながらそう跡部に尋ねた。

「ああ。」
「早く出てけ変態。」

念を押すように、ゆっくりと部屋を出て行く跡部に背を向けてそう言い放った。




「おい映。」

不意に名前を呼ばれ振り向くと、突然タオルを投げられた。

「って、つめたっ!」

投げられたタオルを反射的に受け取ると、中には保冷剤が入っていた。

「目、冷やしとけ。」
「え?」
「そんな泣き腫らした目で出てくんじゃねぇぞ。」
「!?」

慌てて洗面所に行き、顔を見てみると・・・納得。
昨日ちゃんと冷やして寝なかったからな。まぶたは腫れ上がり、いつもよりも目が小さくなっていた。
ぶ、ぶさいく・・・。いやまあ普段も美人なわけじゃないけど。
そしてよく鏡を見ると、頬には涙の跡。
・・・私、夢の中でも泣いたのか。はは、酷いな。

「・・・あれ?」

だけど、右頬には涙を拭った跡があった。
枕で拭かれたのかな・・・?
疑問に感じつつも、跡部にもらったタオルで目を冷やした。




というか、なんで跡部保冷剤持ってたんだろう?




ある程度目立たなくなったのを確認して、私は部屋を出た。






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