sit in the sun | ナノ

13-1


バスに揺られ、私たちは目的地の軽井沢へ着いた。
これから3日間泊まる別荘は、それはそれは大きくて立派だった。
さすが跡部んちの別荘。
噴水ある!バラが咲いてる!お城!

「探検したい!」
「俺も俺も!」
「落ち着き映、岳人。」
「おいお前ら、荷物部屋に置いたらコートに集合だ。」
「えー!少しくらい休ませてよー。」
「駄目だ。」
「ケチ。」
「まあまあ、探検なら後で付き合うたるから。」

侑士が私と岳人をなだめる。




やっぱり、何かおかしい。




探検とかそういう楽しいことは、いつもなら私と岳人とジローが食いつく話だ。
なのに、ジローがまったく話に入ってこない。
というか、ジローはバスで怒ってから、一言も話していない。
ずっと俯いて、誰が話しかけてもそっけない返事をするだけだ。
ただ眠くて話さない時とは雰囲気が違う。どうしたんだろう・・・。
疑問に感じながらも、荷物を持ち部屋へと移動し始めた。
氷帝は2階、青学は3階。

「俺は岳人とジローと一緒か。」
「よろしくな侑士!」
「俺は跡部か。」
「俺たち2年生3人は同じ部屋みたいだね。」
「私は?」
「平塚先輩は1人部屋ですよ。」
「そうなんだ、やった!」
「先輩仮にも女なんですから。」


グサッ


日吉め、仮にもってなんだ、仮にもって。

「ほら、急げよお前ら。集合に最後に来たやつにはペナルティー出すからな。」

1人さっさと準備を済ませた跡部はそう言った。

「げぇっ!まじかよ!」
「ほら急げー。」
「ずいぶん余裕だな。映、お前もだぜ?」
「な、何ー!?」

なんてこった!
完全に油断してたよ!

「映お先!」
「あ、まて岳人!」
「がんばり映。」

次々とコートへ向かうみんな。
うわあん!みんなの裏切り者!






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