sit in the sun | ナノ

30-1


「今日の部活は以上だ、全員行ってよし!」
「「「ありがとうございました!」」」

都大会が終わってから1週間が経った。
そして同時に、関東大会まで1週間を切った。
いつもよりキツくなったメニューをこなしヘトヘトになったみんなはいつもより口数も少なく、着替え終わるとお疲れーという言葉を残して帰っていった。
あれだけの練習メニューだもんね、当たり前か。

「映先輩、」

名前を呼ばれ振り返ると、そこには既に制服に着替え終わった若が居た。

「ごめん、今日も先帰ってて。」
「でも、」

何か言いかけた若の言葉を遮るようにもう一度先帰ってて、と言う。
この数日もう何度と繰り返されているやり取りに、今日もまた若が折れると分かりましたと言って部室を出ていった。

「さて、と。」

誰も居なくなったことを確認すると、私は部室に鍵をかけてひとり校舎へと向かった。






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