sit in the sun | ナノ
28-1
「まさか、こんな形で宍戸と勝負する事になるとはね。」
「あぁ、そうだな。」
「宍戸だからって、手加減はしないよ。」
「良いぜ、望むところだ。」
ふたりの間に走る緊張感。
静まるグランド。
ザリッと地面を踏みしめる音。
「くらえ!必殺、消える魔球!」
「なっ・・・!」
ビュンッ
「って全然消えてねぇ!どらぁっ!」
「なっ・・・!」
カキーンッ
勢いよく振り回されたバット。
弧を描きながら飛んでいくボール。
あー・・・。
「っしゃー!ホームランだぜ!」
ガッツポーズをしながらベースを走る宍戸。
そんな、私の消える魔球が破られるなんて・・・。
「いや、全然球消えてへんかったから。」
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