sit in the sun | ナノ

27-1


都大会2日目。
準決勝が行われている会場で、こちらでは氷帝対聖ルドルフのコンソレーションが始まっていた。

「これに勝ったら、関東大会に進めるってこと?」
「ウス。」
「じゃあ、勝てなかったらここで終わり?」
「ウス。」
「お餅をつくときに必要なのは?」
「ウ、ウス。」
「下らねぇこと言わせてんじゃねぇ!」
「イダッ!」

えーみなさま、聞いて下さい。
最近姑(跡部)の暴力が悪化していく一方です。
DVです!ドメスティックバイオレンスサスペンスです!
しかも夫(宍戸)はこんな時に限っていないし。
役立たずめ!

「もう私実家に帰らせていただきます!」
「何寝ぼけたこと言ってんだよ!」
「もうお義母様の陰湿なイジメには耐えられません!」
「誰が陰湿だよ!」
「「「(お義母様には突っ込まないんだ)」」」

最早コンソレーション中だということを忘れて言い合う私と跡部。
くそう、負けてたまるか!

「だいたいね、跡部はーーーってうわっ!」

跡部と言い合っていると、背中が急にずしりと重くなって思わず前に倒れそうになった。
こんなことをしてくるのは・・・

「ジ、ジロー・・・!」

顔だけ後ろを向くと、やっぱりジローのふわふわな髪の毛が見えた。
お、重い・・・!倒れる倒れるギブギブギブ!

「映、ちゃんと俺の試合見てた〜?」
「え?まだ始まったばかりでしょ?」
「もう終わったC〜。」
「え!?だってまだ15分しか・・・。」

そう思って顔をコートに戻すと、そこには6-1と書かれたスコアボード。


・・・・え!?


「もう良いC〜。俺、せっかく勝ったのに・・・。」

そう言ってしゅんとうなだれるジロー。
わっ、すごいかわいい・・・!
じゃなくて、

「ご、ごめん!ごめんねジロー!」
「・・・。」
「あ、今度ムースポッキー奢ってあげる!」
「ん〜じゃあ許してあげる!」

あージローが単純・・・じゃなくて、素直な子で良かった!

「次、シングルス2を行う。選手は前へ。」
「樺地、ラケットだ。」
「ウス。」

ワァと響く歓声。
バサリと投げられたジャージ。
そして、お決まりの台詞。

「勝つのは俺様だ。」
「「「キャー!!!」」」

あ、相変わらずうるせー!

「じゃあ、跡部の試合どうせ長くなるからお昼寝してようかジロー。」
「良いね〜賛成!」
「ちょ、声大きい!」

跡部に聞かれたら・・・って、こんだけの大歓声だ。
聞こえるわけ・・・




「おいテメェら、聞こえてんぞ。」




・・・えへ☆






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