sit in the sun | ナノ

26-1


今日も長かった部活が終わった。
日が長くなったなぁ、なんて沈む夕日を見ながらひとり黄昏れてみたり。


ーーーぐう



「腹鳴ってんぞ。」
「う、うるさい!わざわざ言わないでよ!」

人が感傷に浸ってる時にわざわざ「腹鳴ってんぞ」って言うなよ馬鹿跡部!
くそう、折角の気分が台無しだ。

「なあなあ、今日帰りにどっか寄ってこうぜ!」

後ろから聞こえた岳人のその提案に、賛成と真っ先に手を上げた。
ジローも賛成ってさっきまでぐったり歩いてたのが嘘みたいに元気良く両手を上げた。

「感傷に浸ってんじゃねぇのかよ。」
「それとこれは別。あ、私アイスが良い!アイスアイス!」
「えー俺オムライスが良い!」
「俺パフェがE〜!」
「アイスアイスアイス!」
「オムライス!オムライス!」
「パーフェ!パーフェ!」
「映、向日、ジローうるせぇ!さっさと着替えろ!」

岳人とジローと着替えずに言い合っていたら、跡部に怒鳴られた。
ぶーぶー言いながら仕方が無く奥の更衣室へと向かう私。
壁の向こう側からはまだ岳人がオムライス!と言うのが聞こえたから、負けじとアイスアイス!と叫んだ。
するとまたうるせぇ!って跡部の怒る声が聞こえた。
いや、跡部もうるさいし。

「宍戸も行く?」
「あぁ、良いぜ。けど結局どこ行くんだよ。」
「あーファミレスとかで良いんじゃね?なぁ侑士。」
「俺は行くの決定なん?」
「まあ、良いじゃん!この際みんなで行こうぜファミレス!」

ファミレスかー。まぁファミレスでもアイスあるから良いかなーって思ってたら、映も良いよな!って岳人が聞いてきた。
ワイシャツの袖に手を通しながら良いよーって返事をすると、じゃあ決まりなって声が聞こえた。
てか、私が反対しても絶対ファミレスで通したでしょ。
ふとそんな事を考えながら、ロッカーの鏡にうつった自分を見た。
すると・・・何か、違和感が。






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