sit in the sun | ナノ

21-1


今日は久しぶりに部活の無い日曜日。
大会前だから本来なら曜日なんて関係なしに練習するんだけど、今日は違う。
なんでかって?
それは・・・




中間テストがあるから!




あーほんと面倒くさい。

「おはようー・・・ってあれ?」

のんびりと10時過ぎまで寝ていた私が下にやって来ると、なにやらリビングから話し声が。
誰かお客さんでも来てるのかな?そんな話聞かなかったけど。
・・・気になる。

「えっとなになに・・・わざわざ来てもらってごめんなさいね。いえいえ、おかまいなく、と。」

え、何をしてるかって?
リビングの扉にぴったり耳を付けて盗み聞きしてるだけですよ?
別に怪しい人じゃないよ!だって、ここ私の家だもの!
何しようと私の勝手だい!

「えーと、それにしても、こんなにお待たせしちゃってごめんなさいね跡部君。お気使い無く、と。」




・・・はい?




ちょっと待て、今何て?
『お待たせしちゃってごめんなさいね跡部君?』
あとべくん・・・?




「跡部だとー!!?」
「あらやだ、やっと起きたの映。」
「あ、うん、おはよう。じゃなくて!なんで跡部ーーー!?」

バターンと扉を開ければ、リビングにはお母さんと跡部がいた。
ってちょいと待てーい!
なんで跡部が居るんだ!?なんで跡部が普通にソファーに座ってるんだ!?
しかも優雅にお茶なんか飲んでんじゃねぇー!
てか、それ私のお気に入りのカップだよお母さーん!

「こら、指さすんじゃないの。跡部君はわざわざ映を迎えに来てくれたんだから。」
「は?迎えにって・・・?」
「やっぱり今日の予定忘れてやがったな。今日は勉強会開くって言っただろ。」
「・・・言いましたっけ?」
「生徒会室で話しただろうが。」
「・・・さぁ?」
「ごめんなさいね跡部君、この子上の空で聞いてる事が多いから。」
「いえいえ、お母様が謝られる事ではないですよ。」
「お前がお母様って言うな、お母様って!気持ち悪い!」
「とにかく、大事な勉強会でしょ?早く行ってきなさい。」
「え、待って!なんで跡部の前に差し出すのお母さん!?」
「それでは、どうもお邪魔致しましたお母様。」
「あら、またいつでも遊びにきてね。」
「ちょ、待ったー!!!」


え、何この会話のスピード!?
そしてまたいつでも遊びにきてね、じゃなくて他に言う事あるでしょお母さん!
娘が首根っこ掴まれて引きずられてるんだよ!?
ずるずる引きずられて連れ去られてるんだよ!!?
助けてよー!!

「じゃあ、映をよろしくね跡部君。」
「はい、任せて下さい。」
「何でだー!?」






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