sit in the sun | ナノ
20-1
「オラ、動きが鈍い!」
「「「はいっ!」」」
「もっと声出せ!」
「「「「はいっ!!」」」」
テニスコートに響きわたる部員たちの声とテニスボールのインパクト音。
「うひゃー気合い入ってるねー。」
レギュラー用のタオルを両手に抱えたまま、コートを見渡す。
合宿空けてから、みんなの練習の意気込みが数段にもあがった。
やっぱり、大会が近くなったからな。
「なぁににやにやしてんのや。」
「お、侑士、お疲れ。」
「もう、今日の練習きついよ〜!跡部少しは勘弁して欲しいC〜。」
「まあまあ、それくらい気合い入ってるって事でしょ。」
「オラお前ら!まだ休憩の時間じゃないぜ!さっさとコートに戻れ!」
「・・・跡部の鬼ー。」
「岳人、何か言ったか?あーん?」
「げっ、地獄耳・・・!」
岳人と跡部のやりとりに、思わずみんなが笑う。
疲れたとか辛いとか言いつつも、みんなの顔はキラキラしてる。
やっぱり、テニスが好きなんだろうな。
「ほら、もうひと頑張り!」
タオルをベンチに置いて、岳人とジローの背中を押し出した。
今日はドリンク、多めに作らなきゃだな。
「よーし、私も頑張りますか!」
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