威高 | ナノ







怪我しなければ治療の仕方なんか知らないのは当たり前だろ? 妙な屁理屈で顔から包帯を剥ぎ取った男は、治療の仕方を知らない割りにはいとも簡単にその包帯で俺の両手首を纏めて縛った。それを指摘すれば、獲物の捕らえ方は知ってるんだよお兄さん、なんて無邪気に笑って、空の眼窩をべろりと舐めた。その舌は移動を繰り返して、多分舐められずに済んだのは右目と唇だけのような気がする。自由の利かない儘、勿論下肢のそこも舐め上げられた。声を上げれば嬉しそうに、お兄さんかわいい、なんて言葉と裏腹にわざと歯を立てる。ひ、と息を呑むもすぐに違う感覚に襲われて、やがて吐精した俺の顔を覗く男はわざと見せつけるように、べろり、唇に滴る精液を舐めとってみせた。ねえもう挿れるよ? 訊く割りには反駁を許さない笑みに俺は笑って、切れたら舐めて治せよ、なんて言ってやる。それはどうしようかなあ、俺、お兄さんをいじめるのが好きだから。碌に慣らしもしていないところへ、男の熱が入ってくる。こういう時に妙に慎重になるのが解らない。後からこの身体を砕きたいのかと疑うほど激しく突き上げる癖に。兎は年中発情期ってェのは本当なんだな、最奥に埋め込まれたのを感じながら言ってやる。そうなの? それは知らなかったな、なんて笑って男は、予想通り無遠慮に身体を穿つ。痛みと快感のふたつをやりすごしたいが生憎と手は塞がっている。思わず腰を捩るも結局逃れられずに口から甲高い声が発せられたのみであった。……これ、解け、よ。嫌だよ、お兄さん逃げちゃうでしょ。逃げねェよ、俺を誰だと思ってやがる。……そう? 渋々、というふうに腰の動きを止めて、顔からのときと同じように乱暴に包帯を剥がした。ねえ、本当に逃げない?少ししょげたふうの声に俺は思わず笑ってしまった。逃げねェさ、――捕らわれてやるンだよ、兎サン? 言って唇を噛んでやった。男は寸時ぽかんとして後、獲物は一生逃がさないよ、そう言った。自由になった手首は腫れて血が滲んでいて、あとで舐めてあげようか? 悪戯っぽく訊く声に、馬ァ鹿、笑い返してその頭を掻き抱いた。髪を結わえた紐を解けば、緩く癖のついた髪束が俺の頬に落ちた。――ついでに舌が、唇へも。





* * *

ついったろぐ。
Rさんリクかむいとちんすけ→かむちんかちんかむかどっち?→かむちんに決定→かむいがちんすけのちんすけをかむ話にしよう→激しく後悔

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -