副長が雑務の傍ら鼻歌を歌っています。
そんな副長を暇を持て余す男四人(うち二人は指名手配犯)がこっそり眺めてはこそこそ密談しているようです。



***



「そーらーをこーえてー、らららほーしーのかーなたー」
(……曲のチョイスにツッコミいれるべき?)
(何を言うか偉大な作品だろう)
(まあかわいいっちゃあかわいいけど)
(土方がな)
(ツッコミいれないよ高杉)
「ゆくぞー、あとむー、じぇっとーのーかぎーぃりー」
(いやいまのはボケちょらんじゃろ金時)
(いや俺もわかってたけどねガチなのはわかってたけどね。でもあまりにきもかったんだもん)
(殺すぞテメェ)
(貴様ら警察で殺傷沙汰はよさんか)
(……ツッコミいれないよ)
「こーこーろやーさしーい、らららかーがーくぅーのこー」
(それにしてもこの熱唱ぶりはなんなわけ)
(日頃からストレスを溜め込んでいるのだろうかわいそうに)
(部下とか上司とか部下とか上司とかが原因でなァ)
(そうだね攘夷浪士とか攘夷浪士とか攘夷浪士とかが原因でね)
(何を言うか天パとか天パとかが原因だろう)
(アッハッハッハッ泣いていい?)
(いやお前はねえだろうよ俺が言うのもなんだけど)
「じゅうまーん、ばりきーぃだ、」
(しかし二十一世紀を待たず見事に滅んだな馬力という単位は。ア○ムもまだ現れんし俺は悲しいぞ)
(テメェジ○リを馬鹿にする気か)
(すいませーんおきゃくさまのなかにどなたかツッコミできるかたいらっしゃいませんかー)
(いなくなってわかる眼鏡君のありがたみじゃのう)
(ちょっと死んだみたいに言わないでくんないぱっつぁんは健在だからね)
(そういえば銀時、リーダーは息災か)
(あーあいつは馬鹿かってくらい元気――)
「ウールーぅトーラーマーン」
「いや何でだアァァァ!?」
(馬鹿静かにしろ貴様見つかるだろうが!)
「?」
(……気づかれなかったみてェだな)
(いやだってなんで科学の子が光の国の戦士になっちゃうんだよ!? なんなのあのこ天然なの電波なのあほのこなの!? これはさすがの俺もツッコミにまわらざるをえないよちなみに今の暴言は愛ゆえの暴言だからね!!)
(高杉殺気をしまえ)
(待ちいておまんら、まだ歌終わっちょらんようじゃ)
「ちゃっちゃらー、らららちゃっちゃらーららら」
(……ヤ○トか?)
(ヤ○トだな)
(ヤ○トじゃのう)
(だからなんでだよなんでそうなるんだよオォォ!)
「ばんばばばばーん、ばばばばーん」
(しかし実写版はよかったな。猫が)
(……。うんそのへんにとどめようかヅラ。それ以上言うとたぶん苦情くるよ)
「ばばばばん、ぎりぎりじん!」
(最終的にヤ○トでもねェのかよ!)
(高杉がツッコミ役まわるのかよ!)
(さすがの高杉も耐えられなかったか……クッ)
(あほの……土方には勝てんゆうことじゃのう)
(辰馬いまあほのこって言った? 言ったよね今? てかさいごのやつなんなの)
(あれはあの人じゃろ、ほらあのえーと……天パの)
(天パはおめーだろ)
(いやおまんじゃろ)
(いやあんたら二人でしょう)
(ああそうかそうだったわ成程)
(……)
(……)
(……)
(……)
「――誰だよお前はアァァ!!」
「どうもこんにちは山崎です。四方ともナイスユニゾン」
「え、ちょっとなにザキいつからいたの!?」
「ユニゾンというよりはハモり寄りなんじゃねェの」
「死の呪文こと俺は冒頭からいましたが」
「特段の修飾もなく地味にナレーション入れたのは貴様か」
「死の呪文否定しないんだ」
「そりゃそうですよ。ここには復活の呪文はありませんからね」
「は?」
「副長ー、縁の下掃除してたら侵入者四人発見しましたー」
「そのようだな。確保」
「えええぇぇぇ!」
「土方久し振りだな元気だったか」
「そういう状況じゃねえだろうよ空気読めやバカ杉! いやべつにお前の肩持ちたいわけじゃないけど!」
「ツンデレ金時気持ち悪いぜよ」
「そういう捉え方がまず気持ち悪いわ! ああもうめんどくせえよお前ら!」
「あの妙な鼻歌は罠だったのか……悪いが逃げさせて貰う、さらば!」
「いやさすがに罠ではないじゃろ」
「高杉すでにいねえし!」
「賑やかでいいですねえ」
「……お前も大概麻痺したな」
「だれのせいですか」





* * *

ア○ム歌い出すと最終的にヤ○トでもなくなるのは私ですなんか本当すいません
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