「1人で出来る?」

ナマエはトイレに入るとニンファドーラに尋ねた。

「うん、できる。」

「偉いわ。じゃあ私もするから、先に済んだら待っててね。」

「わかった。」

ナマエが用を足して個室から出てくると、ニンファドーラはまだ出て来ていなかった。
トイレには2人しかいなかったので、心配になったナマエは声をかけてみる。

「ドーラ?大丈夫?」

すると水を流す音がして、ちょっと顔を赤くしたニンファドーラが出て来た。

「ナマエちゃんのエッチ。」

「あ、そ、そうね、ごめんなさい。」

ナマエは謝ると、蛇口を押して水を出しニンファドーラを抱き上げた。

「手を洗って。」

「うん。」

ニンファドーラは丁寧に手を洗うと水を止めてナマエの腕からおりた。ナマエはハンカチを渡してその間に自分の手を洗う。

「ナマエちゃん、」

ナマエがニンファドーラからハンカチを受け取ると、突然ニンファドーラが真面目な顔でナマエの名前を呼んだ。ナマエは首を傾げて「なに?」と答える。


「シリウスがね、こいびとになりたいって。」

ナマエは今度こそたまげて、まじまじとニンファドーラの顔を見た。

「シリウスにそう言ってって頼まれたの?」

ナマエが恐る恐る尋ねると、ニンファドーラは意外にも首を横に振った。

「ううん、ちがうよ。でもさっきそう言ってた。」

ナマエはハンカチをゆっくり畳みながら、ぼんやりとトイレの壁を眺めた。

「ナマエちゃんは、シリウスのことすき?きらい?」

「好きよ、とっても。」

「ともだちなの?」

「…ともだちよ。」

「でもシリウスはこいびとになりたいって言ってたよ。ちょっとさみしそうだった。」

ナマエはこの一言を聞くと、しゃがんでニンファドーラの肩に軽く手を乗せて注意を引いた。

「ねぇニンファドーラ、良く聞いてちょうだい。あなたは、好きな男の子に「恋人になりたい」って言われたら、素直に恋人になれるような女の子に育つのよ。ううん、自分から言えるようになるの。誰も何も疑わず、愛を信じて貫くの。私みたいになっては駄目。私みたいな人は…あまり幸せとは言えないわ。」

ニンファドーラは頭上にハテナマークを浮かべた顔で「よくわかんない。」と呟いた。ナマエは自嘲気味に笑って、ニンファドーラを抱き寄せた。何の穢れも無い匂いがして、ナマエはとても幸せな気持ちになった。

「分からない方がいいのかも知れない。さ、シリウスが待ってるから行きましょう。この話は他の誰にも内緒よ。私とドーラの秘密。」

ナマエが唇に人差し指を押し当ててそう言うと、ニンファドーラは嬉しそうに頷いた。

「うん!」

ナマエがニンファドーラの手を引いて廊下に出ると、全員分のコートとテディベアを抱えたシリウスが困惑気味に立っていた。

「どうしたの?」

ナマエが自分のコートをシリウスの腕から受け取りながら聞くと、シリウスは真面目な顔でこう言った。

「それが、あの治療室に急病の小鬼が搬送されてきたんだ。とてもいられる雰囲気じゃ無い。」

「そう。」

ナマエが困ったという顔をしたら、タイミング良くテッドが戻ってくるのが見えた。

「パパーっ!」

「ニンファドーラ。」

テッドはニンファドーラをしっかりと抱き締めた。

「話は終わったの?」

シリウスが尋ねると、テッドは首を横に振った。

「まだ全部じゃ無いんだ。入院の手続きとか色々あってね。でもどうにかなりそうだよ。」

「姉さんは?」

「まだ意識が戻らない。でもあと1、2時間で目覚めるだろうって先生が。大丈夫、心配いらないってお墨付きをもらったから。」

「そうか。」

シリウスはほっと胸を撫で下ろした。

「だけど、これからまだ保証人の手配やら何やらがあるんだ。シリウス、悪いんだけどドーラを連れて昼食に行って来てくれないか?ドーラは朝からちゃんとしたものを食べて無くて…。」

テッドは言いにくそうに口にしたが、シリウスは軽快に笑って頷いた。

「俺も朝食抜きなんだ。じゃあちょっと行ってくるよ。」

「悪いね。」

「気にしないで。役に立てて光栄だよ。」

テッドはシリウスの肩を2回叩くと、そばにいた事務員に連れられてまたどこかへ足早に行ってしまった。

姿が見えなくなると、シリウスは自分を見上げているナマエとニンファドーラをくるりと振り返った。

「さて、どうする?」

「あ、そうね…。」

ナマエはちょっと考えて、シリウスを見て、ニンファドーラを見た。

「じゃあ私はそろそろ、」

そう言いかけると、ニンファドーラが大きな声で遮った。

「ナマエちゃん、かえっちゃうの!?」

「…あら、」

ナマエは、大きな瞳を潤ませて自分を見上げるニンファドーラにたじろいだ。

「ドーラ、」

口を開こうとしたシリウスを遮って、ナマエは優しく笑うと、そのままニンファドーラを抱き上げた。

「何食べようか?」

「いっしょにたべる!?」

「うん。シリウスが奢ってくれるって言うから。」

ナマエはシリウスを振り返ってぱちんとウインクした。

シリウスは嬉しいような驚いたような奇妙な顔をしてから、それでも優しく笑った。ナマエたちはまず頼んでおいた薬を受け取って、母親に遅くなると電話をかけ、それから最上階にあるカフェレストランに向かった。ちょうどお昼時ということもあって、店内はそれなりの混雑を見せていたが、シリウスたちは運よく待たずに座ることが出来た。ナマエとニンファドーラはそれぞれチキンとチーズのホットサンドと、カボチャのプディングを頼んだ。

「そんなちょっとで足りるの?」

シリウスはさっそく運ばれて来たステーキキドニーパイを頬張りながらそう尋ねたが、ナマエはちょっと肩を竦めただけだった。

「お餅があんまり美味しくってね。この頃ちょっと過食気味なの。」

少しの間のあとそう答えたナマエだったが、結局はその後ニンファドーラが食べ切れなかったホットサンドまで平らげることになったので、あまり意味は無かった。食後にたっぷりの紅茶を楽しんでいると、ナマエがふと顔を上げた。

「あっ。」

下へ向かう階段のところから、朝に話した老爺がこちらの様子を伺っていたのだ。歩行補助用の杖をついて、朝には気が付かなかったが、腰が大きく曲がっていた。

「…どうかした?」

シリウスの肩越しを見詰めて動かないナマエに首を傾げるシリウス。そのまま振り返ってナマエの視線を辿ると、不気味な呪いにかかった老爺がこちらを見てにたにたとしているところだった。

「あの人知り合い?」

「んん…。」

ナマエがお茶を濁すのと同時に、老爺は階段を降りて行ってしまった。

「ねぇシリウス、私何とも無いわよね?」

ナマエはシリウスに縋るような眼差しを投げかけた。

「どういう意味で?」

シリウスはわけが分からずもう一度首を傾げたが、ナマエは「ううん、やっぱり何でもない。」と言ったきりニンファドーラに紅茶のおかわりを注ぐのに夢中になった。


「ドーラ、プディングは食べれるんだ?」

ホットサンドを3分の1も残しておいて、とあきれるシリウスに、ニンファドーラはカラメルの付いたスプーンを振りかざして自信満々に言った。

「デザートはべつばらー。」

あまりの愛らしさに、ナマエはふふっと笑ってニンファドーラの髪を優しく撫でた。

「あきれたな。いよいよ将来が危ぶまれる。」

シリウスはニンファドーラをじっくり見詰めて言った。

「そんなことないわ。ますます有望じゃない。きっと大物になるわよ!」

「…どうしてそう思うわけ?」

シリウスとナマエの議論をよそに、ニンファドーラは欲望の促すまま甘いプディングにスプーンを入れる作業に没頭していた。



「ナマエはこれからどうする?」

お腹が一杯になりうとうとしはじめたニンファドーラを抱き上げて、3人は席をあとにした。

「そうね、じゃあもう少ししたら帰るわ。夕飯のお買い物もしなきゃいけないし、お母さんが寂しがるといけないから。」

そう言うナマエの方がずっと寂しそうだったので、シリウスは胸が締め付けられるのを感じた。

「ナマエ、」
「シリウス!」

シリウスが言いかけた言葉を遮るように、大きな声でテッドがシリウスの名前を呼んだ。

「テッド、どうしたん「アンドロメダが目を覚ましたんだ!ドーラ、起きて、ドーラ!」

テッドは興奮した様子でシリウスの腕を掴んで歩き出した。歩きながら娘の頬をつついて、夢の世界から呼び戻そうと必死になった。

「じゃあもう心配ないんだな?」

「あぁ。もう起き上がってベッドに座ってるよ。」

シリウスとナマエは顔を見合わせて、ほーっと安堵の溜息を吐いた。

「良かった、良かった。」

「えぇ、本当に。」

「まったくだよ。ありがとう、シリウス。ありがとう。」

テッドはようやくはっきり目の覚めたニンファドーラをシリウスの腕から受け取った。ナマエは、急いでテッドの後を追おうとするシリウスのローブの袖口をつんつんと引っ張った。そして、小さな声で言った。

「シリウス、じゃあ私は帰るね。」

ミセス・トンクスが無事に目を覚ました今、自分は完全に邪魔だと思ったからだ。しかし、シリウスが何か言う前に、テッドが大きく首を振った。

「ナマエ!君も一緒に来てくれなきゃ!ドーラもお世話になったし、アンドロメダも会いたいと思うよ。」

「いえ、でも私は…、」

ナマエは困った顔をしてシリウスを見上げたが、シリウスはにっこり笑っているだけだった。

「さぁ、急ごう!」

有無を言わさずテッドが歩き始めたのを見て、シリウスはまだ躊躇しているナマエの手を引いてその後を追った。


病室は、小さな個室だった。

テッドはドアを開けるのももどかしいといった様子で部屋へ転がり込んだ。

「アンドロメダ!」

「あぁ、テッド。ニンファドーラ!」

アンドロメダは、明るい茶色の髪をした、とても美人な女性だった。ナマエは、アンドロメダとシリウスを見比べて似ているところを探したが、特に見受けられなかった。アンドロメダは娘を見るなり弾んだ声で名前を呼んで、ベッドに腰掛けたまますらりと長い手を伸ばした。

「ママ!ママ!」

ニンファドーラもテッドの腕からアンドロメダに飛びつき、ぎゅうっと抱きついた。

「ごめんなさいね、心配したでしょう、ニンファドーラ。」

「ママ、ママ。」

「泣かないで、私の可愛いドーラちゃん。ママはもう大丈夫よ。」

「ほんと?いたくないの?」

「えぇ、どこも痛くないわ。とっても元気よ。」

母と娘の特別な絆にすっかりあてられてしまったシリウスは、2人の姿をじっと見詰めて少し微笑んだ。アンドロメダの目にもニンファドーラの目にも、少し涙が光っていた。

「我が家の女性は泣き虫でね。」

そう言ったテッドも、妻の無事に改めて安堵したのか、すんと鼻を鳴らしてシリウスとナマエの笑いを誘った。

「シリウス。」

「姉さん。」

アンドロメダは娘を膝に乗せたまま、シリウスをしっかりと抱き締めた。

「心配した?」

「姉さんがドーラを残して死ぬはずないって信じてたよ。」

「ふふっ。」

2人は何度かキスを交わした後、するりと離れた。

「無事でよかった、本当に。」

「ありがとう、シリウス。」

シリウスは一度頷くと、病室の片隅でなるべく存在を小さくしようと奮闘していたナマエを手招いた。

「あ、でも、」

「いいから、ナマエ。」

ナマエは俯きがちにシリウスの隣に立つと、ゆっくりと丁寧にお辞儀をした。

「はじめまして、アンドロメダさん。ご無事でなによりです。」

礼儀正しい挨拶をしたナマエを見て、そのナマエを見るシリウスを見て、アンドロメダは何ともいえない顔をした。にやりと笑いたいのを堪えているような、そんな顔だった。シリウスは突然、自分の気持ちを全て従姉に見透かされているように思い、恥ずかしくなった。

「あー姉さん、紹介するよ。グリフィンドールの同級生で、」

「ナマエ・ミョウジと言います。」

シリウスの言葉を受けついで、ナマエは簡単に自己紹介をした。

「はじめまして、ナマエ。さっきテッドから話は簡単に聞きました。本当にありがとう。助かったわ。」

「いいえ、そんな。」

アンドロメダは、ナマエの手を握って何度も頷いた。

「わざわざ病院へ?」

「いえ、母の薬を受け取りに来て、偶然シリウス君に会って、それで。」

「そうなの。」

「お身体は大丈夫ですか?まだ痛みますか?」

「いいえ。もう本当に平気よ。心配してくれてどうもありがとう。」

アンドロメダはそう言ってずり落ちてきたニンファドーラを抱えなおした。ニンファドーラは、母親の腕の中で大人しく幸せを噛み締めているようにも見えた。

「新聞に書いてあることは本当なの、姉さん。」

「まぁ大体はね。多少脚色されてる部分もあるけど、日刊予言者にしては上出来だわ。」

アンドロメダは多少自嘲気味に笑った。

「それよりも頭に来るのは魔法省の奴らだ。事件が起こってからの対応が遅すぎる!そもそも闇の陣営を牽制し、未然事件を防ぐのが奴らの仕事だろうに!」

テッドは声を押し殺すようにしてそう吐き捨てた。病院へすぐに駆け着けられなかったことがよほど悔しかったのだ。

「今回のことで、私は魔法省に対する信頼を完全に失ったよ。」

「テッド、そのくらいにしておいてちょうだい。若い人たちの前よ。」

アンドロメダはそう言ったが、本心では夫に同調していることはシリウスにもナマエにも分かった。

「じゃあやっぱり死喰い人の犯行なんですね?」

ナマエが尋ねると、アンドロメダは悲しそうに頷いた。

「酷いものよ。誰を狙ったわけじゃないと思うわ。強いて言うならマグル、ね。彼らにしてみたらただの馬鹿騒ぎの一環だったのよ。」

「新年早々、本当に酷すぎる!信じられない!」

シリウスもナマエもテッドの言葉に深く頷いた。するとアンドロメダがゆっくりと顔を上げて、首を横に振った。

「でもね、私は言いたいの。今回死傷されたマグルの方たちや、そのご家族に。憎しみからは何も生まれない。そこで起き得るマイナスの螺旋を、私達はいつかどこかで食い止めなくちゃいけないわ。恨みは募り、憎しみは積もっていくものだから。」

テッドは険しい顔で溜息をついた。

「君は生きてる。だから良かった。だけどもし、もしだよ、君が奴らに殺されでもしていたら、私はそんな綺麗事に頷ける自信は無い。君だって、もしドーラになにかあったら、同じことが言えるかい?」

テッドの率直な意見だった。アンドロメダは少し悲しい顔をして反論しようと口を開きかけたが、テッドが大きく手を振ってそれを遮った。

「ドロメダ、感情的になってすまない。議論はまた今度にしよう。君は人生の大きな危機を乗り越えたばかりだ。休息が必要だよ。」

そう言ってニンファドーラをアンドロメダの腕から降ろすと、アンドロメダを優しくベッドへ横たえ、毛布をかけた。

「ママねむるの?」

「そうね。ドーラもお昼寝の時間よ。」

アンドロメダが毛布を捲ってベッドをぽんぽんと叩くと、ニンファドーラは嬉しそうにベッドによじ登ろうとした。ナマエが慌ててしゃがんでニンファドーラの靴を脱がせた。

「ありがとう、ナマエ。」

「いいえ。」

ナマエは硬い表情のまま首を横に振った。

「そうだテッド、そろそろお義母さまを迎えに行く時間じゃない?」

「そうだった。あぁ、保証人に母が来てくれることになってね。だけどマグルだから…、いやはや、珍しいものが大好きな人だから、たぶん喜ぶと思うけど。」

アンドロメダが部屋に備え付けられた小さな時計を見上げてそう言うと、テッドも慌てたように手元の腕時計を確認した。

「それじゃあ、私はこれで。」

これ以上この場に留まるのは迷惑だと考えたナマエは、控えめにそう口にした。

「ナマエちゃんかえっちゃうの?」

ベッドに横たわっていたニンファドーラが、ぴょこんと起き上がってナマエを見た。

「えぇ、またね、ニンファドーラ。」

「かえっちゃうの…。」

「また会えるよ、ドーラ。」

シリウスがそう言うと、ナマエも大きく頷いた。

「そうよ。約束。」

「やくそく。」

ナマエはニンファドーラを抱き締めて、それからもう一度ベッドに寝かせた。

「ナマエ、本当にありがとう。落ち着いたらまた改めてお礼をさせてもらうわね。」

「いいえ、気になさらないで下さい。私もニンファドーラちゃんと楽しい時間が過ごせましたから。」

「いいや、本当にありがとう。」

テッドもナマエの手を取ってお礼を言った。

「そうだシリウス、あなたホグワーツから来たのよね?」

「そうだよ。スラグホーンがいくつも持ってる魔法省のコネから、朝一番で姉さんが怪我したって情報をもらったらしくて、わざわざ俺に伝えてくれたんだ。それで、マクゴナガルの事務所の暖炉から来て。2人には、昼を食べる前に姉さんは大丈夫だってフクロウを飛ばしておいたから、今頃は安心してる頃だと思う。」

「スラグホーン先生にもお礼を言わなきゃいけないわね。」

「そうだな。姉さんのこと随分心配してたから。」

「在学中は随分お世話になったわ。それで、外出届けはどのくらい取ってあるの?」

「一応明日中だけど。」

「家には…、もちろん帰らないのよね。」

シリウスはすっと無表情になってアンドロメダを見据えたが、アンドロメダは苦笑いをしただけだった。

「今日はどっかその辺に泊まって、明日の朝またお見舞いに来くるよ。そのままホグワーツ特急で帰れば良いし、ちょうど買い物もしたかったし。」

「そう、ありがとう、シリウス。じゃあナマエを家まで送ってあげて。」

「ん、分かってるよ。」

シリウスはちょっと片手を上げて、両のポケットに手を突っ込んだ。そして両手一杯のキャンディを取り出すと、ニンファドーラが転がっている枕元にそのキャンディを降らせた。

「わあ、シリウス!」

「プレゼント。また明日会えるから、そんな顔しないで。」

「うん!」

シリウスは、寝ているアンドロメダとニンファドーラにキスをして、ナマエの隣に立った。

「じゃあ姉さんまた明日。」

「どうぞお大事に。」

「また明日ね、シリウス、ナマエちゃん!」

ニンファドーラの可愛い声に見送られて、ナマエとシリウスは小さな病室を後にした。


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