Cendrillon | ナノ


▼ ∴外出届
警察学校の外出届とか詳細不明のため、そこら辺はすごく適当です。


 スーツ姿の五人の男が警察学校からほど近く、だがデパートや店が立ち並びそれなりに大きい駅の周辺で、当て所なく彷徨っていた。所在の明確化のために行き先は学校に申告しているが、厳密に守るつもりはその五人にはない。

「せっかくの休日に、何だって俺らはこんな男共とつるんでるのかなー」
「嫌なら一人で女でも捕まえに行けよ。止めねーから」
「萩原も松田もうるさい。二人してどこかに行ってしまえ」
「あぁあ! 指図すんじゃねぇよ! おめぇがどこか行け!」

 何かとぶつかり合う二人が出先だというのに一触即発な雰囲気になるものの、すぐに互いのストッパーが間に入った。

「あー、ハイハイ。陣平ちゃん落ち着いて。すぐ熱くなるなよー」

 萩原が松田の肩を押さえる。

「まあまあ、ゼロ。機嫌が悪いからって二人に当たっちゃダメだろ」

 景光は零の背をポンポンと叩く。

「「こいつが悪いんだろ!」」

 しかし、止める二人に目もくれず零と松田は言い争いを継続し、萩原も景光もため息をついた。

「ん? なんか仏頂面だと思ってたが、ゼロは機嫌が悪かったのか。でもゼロが機嫌が悪いって、ヒロなんでだ?」

 伊達はそんな零と松田の様子を一瞥するだけだ。この程度であれば警察学校では日常茶飯事なのである。ただ零のいつもと違う様子には気付いていたようで、景光に事情を尋ねてきた。

「ああ、それは学校生活にも余裕が出てきて、今回が初めての外出だろ?」
「そうだな」

 景光の言葉に伊達は頷く。入校一ヶ月は外出禁止を申し渡され、その後二度ほどあった外出できる機会も見送っている。零と景光だけに限らず、妙に気の合うほかの同期三人も同じだ。学校生活を優先していたためである。
 だが近頃は授業内容や訓練、規律に縛られた集団行動にも慣れ、共同生活もだいぶ落ち着いてきていた。この日は彼らにとっては満を持しての一度目の外出の日だった。

「でさ、久しぶりに俺達、幼馴染に会うつもりだったのに、肝心の相手が仕事だったんだよな。それでだよ」
「幼馴染? お前ら二人だけじゃなかったのか?」

 零と景光が幼馴染とは聞いていたが、他にもう一人同じ存在がいるというのは伊達にはどこか意外だった。この幼馴染たちは互いにうまく補完し合っているというか、二人でいる事で完璧にハマっているように見えていた。
 そのため、そこにもう一人入るとなると、その調和を乱すのではないかと考えてしまう。そして何より、この二人と同じ立場で並び立てる人間がいるのかと少し好奇心が湧く。

「そうだよ。俺達はずっと三人だったね。小学校からの付き合いなんだ。あ、ゼロは幼稚園からだけど」
「へぇ、だいぶ長いな。でもそいつは警察学校は選ばなかったんだな?」

 首を傾げた伊達の言葉に、景光は思わず笑ってしまう。あまりにも幼馴染のイメージにそぐわなかった。

「ははっ、菫ちゃんが警察官っていうのはないなぁ……。彼女はおっとりしているというか、争い事を好まない性質だから向いてないよ」
「あれ、ゼロとヒロのもう一人の幼馴染って女の子なの?」

 零と松田の相手をしていた筈の萩原が食いついてきた。どうやら伊達と景光の話もしっかり聞いていたらしい。

「その幼馴染って仕事は何やってるの? OL? でも今日は普通に休日だしなぁ」

 休日に仕事となると、会社員などではないかもしれないと萩原は思う。

「いや、親の仕事の手伝いをしているんだ。貿易商というか美術商かな? 今までも手伝いはしてたらしいけど、最近は本格的に親の仕事を引き継いで、なんか顧客との顔合わせが多いって言ってた」
「ふーん。でも働いているなら、よけい俺達とは時間が合わないだろうな。ゼロってばかわいそー」
「萩原、笑って言っても、ゼロの神経を逆なでるだけだぞ」
「意外と萩原もゼロの沸点を下げさせるよなぁ……お、噂をすれば、菫ちゃんからメールだ」

 伊達が萩原を窘めていると、景光の携帯に連絡が入る。それを確認した景光は口角を上げた。

「おい、ゼロ喜べ。菫ちゃん、今この近くのギャラリーにいるみたいだ。会えるか? だってさ」
「何?」
「おい、てめぇっ!」

 松田との言い争いをあっさり放棄し、零は景光に駆け寄った。



 * * *



「来週の休みに外出届を出すから、会えないか?」

 その幼馴染の誘いを断腸の思いで断ったのは菫だった。すでに予定が入ってしまっていたのだ。
 残念そうな零の声に、胸がつぶれそうになる。菫こそ零や景光と会いたいという気持ちが強い。

 菫は自身の仕事で、零たちは警察学校ですれ違いが増えていた。今後はさらに増えるのは明白だった。相手が会えるというならば、無理をしてでも時間を作るのだと菫は一瞬で決断する。
 軽く近況を伝えあい、また次の機会にと電話を切ったあと、菫は速やかに予定の調整を始めた。

「幸いにも人と会う約束とかじゃなくて、細々とした仕事が重なっているだけだから、日程を前後にずらせば何とかなる、かな……?」

 だが、その調整が可能かどうかが確約できずに、当日の連絡になってしまった事が少しネックであった。
 零たちの外出予定の日の当日、どうしてもずらせなかった最後の仕事をなんとか終えると、菫は急いで零に連絡をする。しかし、それはいつまでもコール音を鳴らすのみだ。

「……繋がらない。もしかしなくても、同期の皆で盛り上がってるのかな? それなら邪魔しない方が、良いかなぁ……」

 電話が繋がらず、菫はこれは今回は縁がなかったのかもしれない……と、約束もしていないのにもかかわらず気落ちした。だが、念のため景光の方にもメールをしたのが功を奏す。折り返しの電話がかかってきたのだ。
 しかし、連絡してきたのは電話の繋がらなかった零からだった。

「菫、今日会えるのか?」


 ・
 ・
 ・


 零たちがいた駅からほんの少し歩いた場所の、小奇麗な大きなビルの三階にそれはあった。

「ここがギャラリー? 看板も何もないんだね」
「つーかこのフロア、無人じゃねーか。流行ってねーのか?」
「他の階はオフィスみたいで、それなりに人は出入りしてるっぽいのにな」

 エレベーターで目的の階で降りるとワンフロアに一つだけの入り口を見て、萩原、松田、伊達の順にそう呟いた。

「なんか倉庫みたいに使ってるらしいぞ。客の所に訪問する商売形態だから、基本的にはあまり人が来ないって言ってたな」
「ここは小物の商品専用って聞いてるな。ほかにもいくつか商品ごとにギャラリーがあるんだってさ」

 エレベーター前のホールは受付に当たるのだろう。待合室のようなソファとテーブルが置かれている。美術商を営んでいるだけあって、アンティークなソファセットだ。
 そして、唯一の扉の横に連絡用と思われる電話が設置されていた。零がそれに手を伸ばそうとした時、ガチャッっと扉が開いた。そこから現れた人物に零と景光は笑みを浮かべる。

「菫」
「菫ちゃん、久しぶり」
「いらっしゃい! 久しぶりだね、零くん、ヒロくん。ごめんね。ここまで足を運んでもらっちゃって……」

 申し訳なそうな、だがやはり嬉しそうな菫に出迎えられる。

(あのこが二人の幼馴染?)
(なんか意外なタイプ――だよな?)
(いや……案外しっくりくるような気も……?)

 それを少し離れた場所から見ていた三人がコソコソと批評し合うが、まだ何とも判断し難かった。
 件の三人が簡単に再会を喜び合った後、その一人――菫がその場にいる他の者達に目を向けた。幼馴染の後ろにいた初めて会うが知っている、三人の男性に頭を下げる。

「あと……後ろの方達も、こんにちは。いらっしゃいませ。零くんとヒロくんの警察学校の同期の人達ですよね? 私は鳳菫です。二人がお世話になってます」
「はじめましてー! 俺、萩原研二。よろしくね」
「どーも。松田陣平だ」
「俺は伊達航だ。よろしくな。突然俺達まで押しかけて悪いな」
「いえいえ、皆さんが来てくださって嬉しいです。萩原さんに、松田さんに、伊達さんですね? 零くんとヒロくんから私も少しお話を聞いてるんです。二人と仲良くしてくれてありがとうございます」

 菫は心から笑みを浮かべる。あぁやっとこの五人がそろったのか……と、少し泣いてしまいそうだった。だがそれはおくびにも出さず、菫はまず五人を室内へと招き入れる。

「たいしたおもてなしは出来ないですけど、どうぞ入ってください」
「お邪魔しまーす!」

 萩原が代表で声を上げるようにして、ぞろぞろと五人は部屋へと入室するのだった。



 * * *



 ある程度あらかじめ用意してある飲み物や軽食を出しながら、菫は心配そうに尋ねた。

「本当は零くんとヒロくんの所まで、私が出向くつもりだったんだけど、来てもらってごめんね? そういえば、外出届で行き先を学校に共有してるって聞いたけど大丈夫? これからのスケジュールも決まってるのかな? あまりここには長居できないかな?」
「駅周辺をぶらつくって適当に書いてるから大丈夫だろ」
「! そ、そうなんですか?」

 意外な事にこの中で一番素っ気なさそうだった松田が、菫の問いかけに一番に口を開いた。また、実際には適当には書いていないだろうが、要領の良さそうなこの五人ならば切り抜けられるのかもしれないとも菫は思う。

「そうそう。時間までに帰れば大丈夫だよー」
「それより今日は仕事だったんじゃないのか? ヒロが言ってたぞ」

 次いで萩原と伊達が口を開く。彼らは人見知りは全くしないようだ。元からの知り合いのように話しかけてくる。最初、菫も内心どのように振る舞えばいいか大いに迷っていたが、気安い彼らの態度に少し力が抜けた。

「私は自営業みたいなものですから、時間に融通がきくんです。今日の予定は他の日にずらす事が出来たので、急ですけどさっき連絡を」
「無理させたみたいでごめんな、菫ちゃん。でも、時間作ってくれて嬉しいよ」
「所在地はこの辺にいれば本当に何とかなるから、ここでしばらくのんびりさせてくれ。行きたい所もないしな」

 そう言って零がスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩める。それを見て菫が他の者達にも声を掛ける。

「あ、皆さんもどうぞ、零くんみたいに楽な格好にしてください」

 大人数にも対応できるソファセットが設えられた応接室に通されていた零たち五人は、皆銘々にソファに座り込んでいたが、上着を着こんだままだった。

「お、じゃあ早速……」

 菫の促しで、まず伊達が嬉しそうにネクタイを緩め始める。そのまま上着も脱ぐようだ。松田や萩原も同様に服を崩し始めた。

「あー、この外出の度にスーツ着なきゃいけないって、警察学校の嫌な所だよねぇ」
「確かにめんどくせーわ。自由時間くらい好きにさせろっての」
「まぁそう言うなよ。これで色々自覚させたいんだろーぜ。スーツは確かに堅苦しいけどな。あー楽になった……。ありがとよ鳳さん」

 菫は自分の名前を呼ばれて、あ、と声を上げる。

「あの……私の名前、さん付けとかじゃなくていいですよ? 呼び捨てとかで構いませんから、好きなように呼んでください」
「ほんと? じゃあ、俺は菫ちゃんって呼ぶねー。俺の事は研二でいいよ?」
「んじゃ、菫だな。俺は陣平でいいぞ。同い年だろ?」
「じゃあ、俺も菫で。俺はみんな伊達って呼ぶから、そっちの方がしっくりくるな」
「はい、分かりました。私も研二さんに、陣平さんに、伊達さんって呼ぶ事にしますね」

 菫の嬉しそうな顔を見て、景光も自分の上着をソファの背もたれに引っ掛けながら口を開く。少し不思議そうな表情だった。

「菫ちゃん、こいつらそんなに取っ付きやすい? 今まで見知ったばかりのやつと、こんなに早く親しげに口をきいたりしなかっただろ?」
「え? だって零くんとヒロくんが紹介してくれた人達だよ? 二人が今まで私に紹介してくれた人、いなかったでしょ? わざわざ紹介してくれる人達だからこそ、私も絶対に仲良くなりたいなって……。でも、図々しすぎたかな……」

 景光の指摘に、菫はだんだん声が小さくなってしまう。彼らがどんな人物であるかは多少知っていたため、仲良くなりたいという気持ちはもちろんあった。だが、何より幼馴染たちから友人を紹介されたのは今回が初めてなのだ。これが意気込まずにいられるかという気持ちの方がより大きい。
 しかしそのせいで、景光に違和感を覚えられるほど自分は砕けた態度だったのか、と思うと菫は少し恥ずかしくなる。

「すみません。馴れ馴れしすぎでしたね」

 顔を赤らめて菫が謝罪すると、女性の扱いに最も長ける萩原が早速その力を発揮し、菫の援護に回った。

「もう、ヒロが余計な事を言う! そんな事ないからね、菫ちゃん。他人行儀より絶対に、さっきみたいな打ち解けた態度の方が嬉しいからね? それに俺達も仲良くなりたいしさ」
「馴れ馴れしさでいけば、こいつも随分だろ。ついでに言うなら、手も早いから菫も気をつけとけ」
「萩原、遊び半分で菫に手を出してみろ。潰すからな」

 松田の発言に、零は萩原を睨みつけると低い声で恫喝する。未遂ですらないのに牽制され、萩原が顔を引きつらせた。

「ちょっ、潰すって何? ナニなの?」
「そりゃあナニだろ。萩原、菫ちゃんには手を出すなよ。惜しいならな」

 景光がまるで含みがないような笑顔で断言した。それに伊達が笑い声をあげて、萩原に忠告する。

「ぶはっ! 二人は菫の保護者みたいだな。萩原、下手な事はするなよ」
「えー、お父さん、お母さん、俺まだ何もしてないんですけど……」
「誰が父さんと母さんだ。殴るぞ。ついでに言っておくと、菫の親はボク達の比でないほど恐ろしいからな」
「萩原、女癖が悪いやつは門前払いが当然だろ?」

 零と景光はその軽口をあっさりはねつける。さらに松田が、どうでも良さげに追撃してきた。

「ヒロが言う通り、何もないうちに釘刺されてるんだよ。おめーは信用がねぇわけ。事、女に関してはな……」
「えーとあの、でも研二さんは私のフォローをしてくれただけでしたし、そんな深い意味はなかったかと……」

 気安い男同士の会話なのかもしれないが萩原がやり玉にあげられ、つい菫もそれに混ざってしまう。菫の心が軽くなるよう努めてくれた萩原だったので、今度は菫が拙くその弁護をした。

「うぅ、菫ちゃん優しい。二人の幼馴染と全然違うね! っていうか、俺は付き合う時はちゃんとしてますぅ! それに菫ちゃん、名前を呼んだくらいで親しげって、どんだけ箱入りにされてるのよ?」
「もしかして菫の男友達って、ゼロとヒロだけじゃないだろーな……」

 菫の交友状況を想像し、またそれに大いに干渉していそうな二人の幼馴染を伊達は引き気味に見つめる。零からは睨まれ、景光からはにっこりと笑みを向けられ、伊達は最終的にはあえなく目を逸らした。

「おいおい、いーのかよ? 俺らなんか紹介して。世辞でも良い影響はないだろ。特に萩原」
「陣平ちゃん、俺たち友達だよね? さっきからひどくない? 菫ちゃんの俺の印象、最悪でしょ?」
「お前、まだ二か月も経ってないのに、すでに学校ですら爛れた生活送ってんだろーが。恥ずかしいから背中だけは刺されるなよ」

 萩原と松田が真顔で見つめ合いながらそんな会話をしていると、菫が思わず噴き出す。まるでお笑いの掛け合いのようだと思った。だが、幼馴染の二人が紹介してきたという事は、やはりこの新しい友人たちを二人は気に入っている、同時に信頼しているのだろうと菫は思う。そして彼らはこんな風に生活しているのかと、その一端が見れた事が菫は嬉しかった。

「ふふっ、零くんもヒロくんも警察学校、きっと楽しいんだろうね? いいなぁ……」
「お前、このやり取りを見てなんでそう思えるんだよ? しかも警察学校なんていいもんじゃねーぞ」
「そうだよ? 菫ちゃん、警察学校ってね、もう規則が厳しいのなんのって……タバコ吸えないしぃ」

 どこか憧れるように言った菫に、松田と萩原が真っ先に異を唱える。

「お前ら、それをバレないように破るの楽しんでんじゃねーか……」
「その上バレた時は、僕達も連帯責任で罰せられてるんだからな。少しは自重しろ」

 呆れた伊達の声に次いで、零が顔を顰め文句を言った。

「そうだ、菫ちゃん聞いてよ。ゼロが言ったみたいにこの前さ、連帯責任で罰掃除やらされたんだぜ。あれは疲れたよ……」
「ああ……十年近く閉めっぱなしだった倉庫な。掃除に一日費やしたんだよな……」

 まるでつい先ほどの事のように語る声は疲れきっていた。それは景光と零の愚痴のようなものであったが、菫はそれを目を細めて聞いていた。羨ましいという気持ちや、どこか切ない気持ちが沸き上がる。混ざりたいけれど、無理だろうなという諦めだ。昔も思ったことだが、自分が男ならばこの中に気兼ねなく混じれただろうかと菫は考えてしまう。
 だが、こんな風にそばで見られる事だけでも、十分に幸せだとも理解していた。菫はぽつりと呟く。

「みんな青春してるねぇ……」
 
 一歩引いた、菫の子供を見守る様なふわりとした表情、眼差しに、全員一瞬固まった。

「……なんかすごい微笑ましそうに見られてるね、俺達」
「というか、あれは絶対に子ども扱いじゃねーか?」
「同類だと思われるだろーが。ちょっとお前ら、もう少し取り繕え。頼むから……」
「ちょっと、伊達はなんで俺見て言うの」

 同年代の女性から向けられていい視線ではないと、伊達は恥ずかしそうに萩原と松田のじゃれ合いを止めた。特に萩原に言動を改めるように言い聞かせている。

「……なぁ、ヒロ。最初はお前ら三人だと、ゼロとヒロが兄貴分なのかと思ってたが、実はあっちがその役か?」

 伊達の注意が萩原に向いている間に、松田が意外そうに景光へと小さく問い掛けた。菫は楽しげに萩原と伊達のやり取りを注視しており、こちらには気を配っていない。それを確認すると景光もやはり小さな声で答えた。

「松田、当たり。菫ちゃんはね、そうは見えないかもしれないけど、昔からあんな風に大人だよ。だから一緒にいるとすごく楽になれる。安心するんだ。気を張らなくていいんだよ。自然に振る舞える」
「ふーん……。お前ら二人とつるめる幼馴染ってどんな奴だと思ったが、妥当な人間だったのな」
「当たり前だろ。だから、松田。変にちょっかい掛けるなよ?」
「げっ、ゼロ、お前も聞いてたのか。つーか俺にまで牽制すんなよ……」

 最後に景光に代わって零から萩原と同様に釘を刺され、松田は面倒そうに呻いたのだった。



起承転結の起の部分みたいな所で終わってすみません! 警察学校組は聖域でした! 気軽に書けない……。ついでに、爆処事件で松さんの出番少なかったので、最後でちょっと出張ってもらいました。


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