お留守番


「アクロマさんっ」
ワープゾーンを抜ければ
いつもの穏やかな笑顔が見れると思ってたから
主の不在にメイは拍子抜けした

ふよふよと中空を舞うロトムを発見し
アクロマが遠くへはいってないことに安心した

アクロマさんだってお出かけするよね…

気を取り直してロトムに挨拶をする
初めて見た時から思ってたけど凄く可愛い
次に会った時には洗濯機の形になっててもっと可愛い

「おいでよロトム」
声をかけるとふよふよと近付いてきた
「可愛いねロトム」
にっこり笑うとロトムも笑うような気がした

「あのね、私、メイっていうの
貴方のご主人様に会いにきたの」

近くに漂うロトムに話かけながらメイは続ける

「貴方もアクロマさんを待ってるんだね」
私もアクロマさんを待ってるんだよ
一緒に待っていようよ





アクロマは自室に戻ったとき
思いがけない風景に驚かされる

ソファの上でメイが寝ている
しかもその腕にはわたくしのロトムを抱いて

力が抜けるのを感じ上着をデスクに投げてそっと近付く
「貴方、全然留守番できてないですよ」
顔見知りだったのもあってか、すっかりなつききってしまったロトムに
アクロマは苦笑いをする

「まぁ相手がメイさんなら、、仕方ないですね」
ロトムをボールに戻すと抱きしててた腕が崩れ
メイがはっと起きてあたりを見渡した

浅い眠りだったようでロトムをボールに戻したことを後悔する

「あ、あ、アクロマさんお帰りなさい」
うとうとしていた所をアクロマに見られてメイは顔を真っ赤にする

「ロトムを戻さなければ良かったです!可愛い寝顔がもっと見れたので」

そういうと一層メイは赤くなり
蒸気をプスプスだしているように見えて
アクロマは小さく笑った

なんて、可愛いらしい!

「アクロマさんに会いに来たら居なかったから…でもロトムがいて安心して
アクロマさんのロトムすっごく可愛いね!」

やはりロトムを残して正解だったとアクロマは思う

この小さな可愛い人は自分がまた消えてしまうのではないかと
不安に思っている。そう思わしたのは
自分なんですが…毛頭そんな気はないのですが
彼女には笑っててほしい

「お待たせしてすいません」
「あ、いえ、そんな」
焦るメイの隣に座り顔を覗きこむ


「アクロマさん…」
真っ赤なまま見上げる可愛い彼女をおいて
消え失せることなど出来るわけない

すでに自分は過去の自分とは全く違う

「メイ」
耳元で名前を呼べば
ぴくり、と肩が震える
「アクロマさん」

そのまま彼女の頬に手をあて
小さな唇にフレンチキスを

あぁ駄目な大人ですわたくしは
こうしてまた自由な彼女を縛るような振る舞いをする

震える彼女を見れば涙目になりながら
「…嬉しい、、」と

もう一度軽いキスを落とし
アクロマは囁く

「新しい紅茶を買ってきたんです。
一緒に飲みましょう」

「あ…はい」

真っ赤なまま頷くメイを確認して
アクロマは立ち上がる

かきみだしてしまった彼女の心を落ち着かせるために
うんと甘い紅茶を入れなくてはとアクロマは思う





……………………………………………………
プラトニックすぎてすすまない^^



2012/ / /Web

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