シンクロ


物心ついたときから双子の兄弟の
気持ちが時々解るようになっていた

それは常ではなく
片割れの感情が大きく揺れた時に流れ込むように繋がる
嬉しい時
悲しい時
相手の感情が流れ込んできて
一緒に笑ったり泣いたりした

「ねぇノボリ」

白いシーツの上で
同じ顔の兄の胸に顔を埋めていた
クダリがそっと顔をあげる
クダリの髪をといていたノボリは
クダリに視線をおとす

久しぶりの夜だった
普段中々甘えてこないクダリがようやく
自分をノボリと呼び、自分に甘える姿に
ノボリは胸がいっぱいだった

「なんですクダリ」

これ以上ないくらいに幸せだった
抱き合う端から溶けるように

「あのね、昔ね、ノボリの気持ち解るときあったよ」
言葉足らずは昔から
それでも仕事中は大分努力をしていると思う
舌足らずなクダリを抱き締めノボリが囁く

「私もです。クダリの感情が伝わることがありましたよ」

ほら、クダリがいじめられて
泣いてた時に私も一緒に泣きましたでしょう?

そうだったね
ノボリ関係ないのに泣いてて、僕びっくりしちゃった

懐かしい話を2人で笑う
あぁ幸せ


「ねぇノボリ、今でも僕の気持ち伝わる?」

「えぇ、昔ほど感情の起伏は少ないですが
伝わりますよ」

「僕ね今ね、凄く…」


「幸せですよ」
ノボリがクダリの唇に人差し指をあてて
クダリの言葉を先に紡ぐ

「ひどいよノボリ先に言っちゃうなんて」

ぷくっと膨れてはいるけど目は笑っていた

さっきからこんなに幸せなのは
クダリの感情が流れているからだろう

「クダリ」
足を絡めればそのままぎゅっと抱き付いてくる

「愛してますクダリ」
どうかこの幸せがずっとシンクロしますよう





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ノボリとクダリの特性はシンクロ、テレパシー、きけんよちry


2012/ / /Web

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