双子


「ねぇお兄ちゃん」

ノボリのシャツを引っ張り
クダリは尋ねる


「お兄ちゃんだけ…喋るの変」
「あぁ」とノボリは頷く
言葉たらずな弟の意図がわかった

「なにか先生にいわれました?」
ううんと首を横にふるが多分なにか言われたに違いない
大きな目は心なしか潤んでいる


クダリのはねた髪を手ぐしでとくと
肩の力が少し抜けた気がした
「クダリ、わたくしの将来の夢を聴いて下さいまし」
突然の流れにクダリは首を捻りながらも頷く


「わたくしは、大きくなったらお父様みたいなサブウェイマスターになるのです」


「そうなの…?」
ノボリとクダリのお父様
かっこいい電車に乗ってる
ポケモンが大好きで強いお父様


「クダリも一緒になってくださいまし」

その言葉にクダリの顔がぱっと笑顔になる


「僕も一緒になっていいの?」

「クダリが一緒でないと嫌です」
ぷくっと膨れるノボリの頬
膨らんだ頬っぺたを指でつつくと
ノボリからプシュっと息が漏れた


「だから練習してるのです。お父様の話方を」

成る程クダリは納得する
サブウェイマスターになるためにノボリはお父様の真似していたのだ


「あれ?」


「じゃあ、僕も真似したほうがいいの?」
また首を傾げるクダリにノボリはぶんぶん首を横にふる


「嫌。嫌。クダリはクダリのままがいい」
思わず自分本来の話方に戻ってしまった


「今のクダリがいい…です」
クダリのシャツを掴みノボリは俯く

なんだかよく解らないけど胸がキュっとして
先生の言葉もどうでもよくなって
とっても嬉しい気持ちがクダリの中に注がれる

「うん、僕、そのままにする
お兄ちゃんとサブウェイマスターになる」

「クダリ、大好き」
「僕もお兄ちゃん大好きっ」

笑う2人にヒトモシとバチュルがすりよってきた






……………………………………………………
ショタマスも可愛いよ



2012/ / /Web

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -