アクロマの天使


メイがアクロマの元に通うようになって暫くがたった

毎日飽きずに通ってくるメイに
わたくしは半ば呆れつつ嬉しく思っていた
毎日通うといってもメイがわたくしを
縛る訳ではなかった
メイはメイで自由にしていた
朝に来るときもあれば夜に来るときもあった
そしてタイミングがあった時に
今日の出来事を楽しそうに伝えた
お互いがお互いを必要としつつも、
干渉しすぎない関係は
わたくしにとっても理想であり、
1日に張り合いも出来て満足していた

プラズマフリゲートに残る元プラズマ団の団員たちも
毎日通ってくるメイとすっかり打ち解けていた

元々対立していたとはいえ
此処に残る元団員は皆ポケモンが好きだった
そんな彼らをメイが打ち解けるのは時間の問題だった

明るく隔たりを作らないメイと元団員は時にバトルをし
世間話をしイッシュチャンピオンのメイに今後の生き方を相談したりしていた
メイが居るだけでわたくしも元団員も救われている

今日は晴れ爽やかな風が吹いている
甲板に出て伸びをしながら
「本当に天使みたいな人ですね」
満足気に呟くと噂通りの天使が現れた

「アクロマさん、ただいまー」
レシラムに乗ったメイが手を大きく振りながら甲板に降り立った
「おかえりなさい、メイさん」
自然に交わす会話だったが、まるで夫婦みたいだと内心ほくそ笑んだ

「今日ね、凄いことがあったんです」
「どうしました?」
はしゃぐメイが可愛いくて可愛いくて
「あれ?そういえばアクロマさんが甲板に居るなんて珍しい」
首を傾げる彼女の肩を抱いて引き寄せる
「わたくしの天使がもうすぐ降り立つかなと思いまして」
「っアクロマさん」

真っ赤になりつつも、おずおずと
背中に手を回してくれる。本当に可愛い人ですね
メイさん、続きはわたくしの部屋で


2012/ / /Web

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -