「クダリ…」
ついうっかり居間のソファでうたた寝をしてしまったノボリ
起きてあぁこんな所で居眠りだなんて、疲れてますね
と一人ごちて額にかかった髪をかきあげようとした時に異変を感じた

おや、耳ですか
そうですか…チョロネコのような耳ですね


「クダリ、どういうことですか」
ジロリと睨むが逆にノボリは圧倒されてしまう
キラキラと瞳を輝かせて自分を見つめるクダリに

「ノボリ、まじ性的」
「なんのことですか」

「ノボリーっっ」
突然の弟のタックルに体はソファに逆戻り

「可愛い可愛いノボリ最高に可愛い舐めたい」
「なんですか貴方、いきなり、ちゃんと説明して下さいまし」


要約すると
この猫耳は最新鋭の技術でつくった画期的なアイテム
ただの飾りではなく脳波をキャッチし、感情にあわせて耳に動きの違いまで再現できる

興奮するクダリのぶつぎれの説明でしたが上記のことが解りました

「はぁ…誰ですか。この才能の無駄使いは」
「えーっと」
クダリが耳の後ろをごそごそ弄るものだからこそばゆい
首をすくめるとクダリがいつも以上に片言で
「めーどイ、ン…じゃぱん」

あー
かの国ですか。このようなお品を作るのは
そういえば、最近どの角度から投げてもキャッチして下さる
全自動ゴミ箱も作ってらっしゃいましたね
あれは少し欲しいと思いましたよ

無駄にハイテクな耳にノボリはため息をつく

「で、どうしてわたくしなんですか?」
目の前でふにゃふにゃするクダリに問う
「わたくしなんかがこれをつけても似合いません
貴方のほうがよっぽど似合うのに」

それこそチョロネコのように腕の中にすりよるクダリのほうが
ずっとこの猫耳は似合うのに

「僕は明日つけてみる!」
興味深々な様子でクダリは耳を見つめる

「ノボリって僕より表情少ないから耳つけたら分かりやすいかなって」
「まぁ、貴方に比べたら確かに少ないですね」
「さっきからピクピク動いてる!可愛い〜ノボリ」

知らず知らずの内に耳は動いているらしい
本当無駄な…

「お」

「ん?」

「明日クダリはこの耳をつけて下さるのですか?」
「うん、ノボリが今日つけてくれたら」



「うわっノボリの耳がビクッて!?」

いいですよ耳くらい
今日1日つけて差し上げます

「はぁ可愛いノボリ可愛い」
ぎゅっぎゅっと抱き締めてくるクダリにノボリは小さく笑う

「あ、またビクッてした」
あぁ、本当に高性能
明日が楽しみですね
いまきっとわたくしの耳は大きく動いているでしょう


「クダリ、お茶でもしませんか?焼きプリン買ったんです」
「わーい」
気付いていないだろう可愛いクダリを
どう調理してやろうか考えると
耳の動きは隠せなさそうなので
いそいそキッチンに向かうのでした






2012/ / /Web

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