同族嫌悪


黒のコートが2つ乱雑に床に放り投げられ
噛みつくようにキスをしてベッドに倒れこむ

押し倒されたインゴとその上に被さるノボリ
どちらの黒も肉食動物のように目をぎらつかせて咽をならす

「貴方様の化けの皮が剥がれた状態をクダリ様にも見せて差し上げたい」
「おや、これはこれは、くみし抱かれて鳴く貴方の姿エメット様に見ていただきましょうか」
喉の奥で笑うとつられてもう1人の黒も笑う

「楽しませてくださるのでしょう?」
怪しく笑うインゴにノボリの口角もあがる
「インゴ様こそ精々わたくしを退屈させないでくださいまし」


2人の黒は最愛の白の為に生きている
己の中で発生する嗜虐心をもて余す
愛する白には出きれば見せたくない醜い姿を
もう1人の黒にぶつけることでフラストレーションを解消させる

2人にとって抱くも抱かれるも同じことであった
今日はノボリがインゴを抱く日だった


「貴方は本当にはしたない」
ノボリはインゴの足の間に自分の膝をたて押し付けるように揺らす
それだけでインゴ自身は窮屈そうに己を誇示する

「はぁ…その言葉…そっくり貴方様におかえしします」
「可愛くありませんね」
「えぇ、残念ながら、、わたくしは黒なので」

インゴは上に被さるノボリのブラウスに手をかけボタンを外していく
ノボリは窮屈を訴えるインゴの下半身に手をかけスラックスと下着を抜き去る

インゴはノボリの乳首を甘噛みし舌で転がせば
ぴくりと揺れる細い腰に手をまわす

ノボリはノボリでインゴ自身を乱暴に扱き
無理矢理先走りの液を溢れださせる


「ふふ」
笑うインゴにノボリはむっとする
「なんです」

「いいのです。気にしなくて
はやく思いっきり抱きなさい」
くみし抱かれながらも変わらないインゴの言葉にノボリは苛々する

「お望みとあれば」


わたくしたちに甘い触れあい等不要

足を広げて待つインゴの慣らしてない蕾にノボリは自身をおしつける


「ぐっ」
いれる方も受け入れる方も
苦痛に顔を歪ませる

鉄の匂いが鼻を霞め自分の牡がいきり立つ

「く、、あ、」
流石にインゴの痛みは中々ひかず
眉間に皺をよせ耐えている
「先に慣らしておいたんですけどね…いつもよりノボリ様は興奮してらっしゃるようで」
苦しそうに呟くインゴの腰にノボリは手をかける
「貴方様が1人で孔を暴いているお姿を是非とも拝みたいものです」
インゴ自身を少し扱けば中の壁が少し柔らかくなった
「はっ誰が。いいから満足させてくださいまし」
漸く余裕が出来たインゴが笑えばノボリが腰を動かしだす


内心インゴは舌打ちをする
この男は結局苦痛にのたまう自分なんぞに気をつかい
抽挿を待つような男なのだ

「あ…はぁ…いいですよ」

「ふふ、淫乱がさまになりますね、インゴ」

「あっ、わたくしは、貴方が…嫌いですっ」

「おや残念、わたくしはインゴをこんなに好いているというのに」

ぶつかり合う肉の音も
血の匂いと水音も
全て求めていたものだった


「わたくし達は、、痛いくらいで調度よいのです」

「ノボリ」

限界を感じてノボリの名前を呼べば
ノボリはインゴの髪を掴んで強引に口づける

「ん、ぐっ」

矯声はノボリの喉に飲み込まれていった




はたと目を覚ませば
目の前に全く同じ顔の男が

目を瞑ってはいるものの恐らく起きているだろう

インゴら腰の鈍痛と、清められた躰に苦笑いする
この男が嫌いだ大嫌いだ

そして動かないノボリの背中に手をまわす


「ずいぶん可愛らしいではありませんか」
やはり起きていたノボリの言葉にインゴは溜め息をつく
「このまま絞め殺されたくなかったら黙っててくださいまし」
クスリと笑ったノボリがインゴの背中に手をまわした

そのまま意識のある間悪態をつきながらも
泥沼の眠りに落ちるまで2人は抱き合ったままだった






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2012/ / /Web

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