惚れた弱味は恐ろしい



大嫌いだった。
あんなやつすぐにこてんぱんに負かして一泡ふかせてやろうと思った。
だから大好きなポケモンたちと一緒に血も滲むような努力をして、強くなったのに。
あいつはいつも私の上をいく。飄々と笑顔を浮かべながら。
「カベルネ、君も随分強くなったね、」
黙れ。勝ったくせに、
私に勝ったくせにそんなこと言わないで。
勝ちたいのに、勝ちたいだけなのにどうしてこうも簡単にいかないの。
デントに勝ちたいだけなのに。
「もっと、もっと頑張ってね、君はもっと強くなれるから。」

そう言って頭に置かれたデントの手。それと同時に大きく脈打つ胸。

答えは意外と近くにあるのかもしれない。
でも今はまだ気づかなくてもいい、気付きたくない。
あなたに勝つまでは



・惚れた弱味は恐ろしい








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