曇り空
砂月さんは可哀想な人だ
絶対報われない恋をしている、
双子である翔ちゃんに恋心を抱く僕も僕だけど
那月さんに恋をする砂月さんも砂月さんだ
その恋は叶わない
那月さんは砂月さんの存在さえ知らない
それでも。
それでも、砂月さんは構わないといった
那月が幸せならいいんだ
あいつが俺の分まで幸せになってくれる
那月の影のくせにそれ以上を望むなんておかしな話だと
そういってみたこともない顔で笑っていた
優しいのに目は悲しそうで今にも泣きそう、そんな感じの顔
ばかみたい、
僕なら絶対やだもん。
僕なら、僕なら、翔ちゃんと一緒に幸せになりたい
なのに、何故か自分も泣きそうで
おかしいと変だと異常だと思うのに
「可哀想なのは…僕も…一緒なのかな」
そういったら砂月さんは眼鏡をかけ那月さんの奥に戻っていった。
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