暖まりましょう、3人で



「めっちゃさみぃなー。」


黒地に灰色の星のポイントが入ったネックウォーマーに顔を埋めて話す荒木の鼻と頬は真っ赤。


「ん、だなー。俺手めっちゃ冷たいもん」


「ほれ。」なんていいながら
兵藤は冷えきった手を荒木の頬に当てる
こいつも荒木と同じようにネックウォーマーをし、鼻と頬を真っ赤にしている。


「冷たっ!なにすんだよ、マコ!」
「だって荒木のほっぺた赤いから温かかそうだったんだもん。」
「寒いから赤いんだよ!察しろよ!」
「えーだってー!」


またバカなことが始まりそうなこいつらの間に割って入る。


「いい加減にしろ。こんなに寒いのに、首だけしか防寒してないお前らが悪いだろ。」


「んだよー!つか織田防寒しすぎじゃね?」
「あー!それ俺も思ったー!」

少し顔をムッとさせた荒木とそれに続けとばかりに茶々をいれる兵藤

「今季で一番寒い日らしいし、風邪などひきたくないからな。それにお前らは薄着しすぎだ。」

「るせー、俺らは織田ちゃんみたいに老体じゃなくて若いから薄着でも大丈夫なんだよ。な、マコ?」
「そうそっ!免疫あるし、そんなもんじゃ風邪ひかないし!お爺ちゃんの織田ちゃんにはわかんないかな?」

なんてニヤニヤしながら、言うふたり。
どついてやりたい…なんて気持ちにかけられるが

「手袋のひとつでも貸してやろうかと思ったが、そんなこと言うお前らにはかさん。」

「なっ!貸せよ!」
「若いんじゃなかったのか、荒木?」
「織田ちゃんの人でなし!悪魔!」
「兵藤、少し黙れ。」


「いいさ!じゃあこうしてやる!」
そう言って俺の手の中に荒木の手が侵入してくる。

「じゃっ俺も」

次は兵藤の手も入ってくる。


「やめろ!寒いから!」
「やーだー」
「ほら、結構温かくなってきたじゃん」










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