好きだからね
昔から泣き虫で、
一人で悩んで
一人で抱え込んで
でも
誰よりもサッカーが好きで
誰よりも努力家で
そんな君が好きで好きで。
誰よりも支えたいと思った。
「神堂、」
「なに、」
「泣くの、我慢してんだろ?」
だから、君が泣きたい時は
気づいてあげたいし
「そんなこと…」
「でも、俺には泣きそうに見える。」
「……それじゃ、まるで泣きたくて霧野にすがってるみたいじゃないか。」
「それでいいじゃん。
俺、お前に頼って貰いたい。」
君が泣きたい時には
頼って貰いたい
「服びしょびしょになるかもしれないぞ」
「へーき。んなに泣きたいならさっさと頼れ。泣き虫。」
そう言ったら
ガバッという音と共に抱き付いて俺の胸に顔をうめ「泣き虫じゃ、ない」と呟く君。
そんな君が好きだから
頭を撫でて
「一人でなんでも頑張りすぎないように。いつだって俺がいんだろ?」
「………霧野、ありがとう…」
顔は見えない。でもなんとなく胸に当てたままの顔が微笑んでいるように感じた。
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