その穴を埋めるのは
するする、幸せが抜けてゆく。3人で過ごしたあの日々は戻ってこないのでしょうか?
ひどい孤独感と喪失感が自分に取り付いたみたいで、寂しくて堪らない。冷たくて堪らないんで、す。
そうコーンが呟けば、哀しそうな目をしたポッドが頭を撫でて、くれる。
「全部熱のせいだ、だからちゃんと寝てくれ。」
なんでポッドが泣きそうな顔をするんです?貴方も寂しいのですが、?
「熱のせいだなんて。きっと熱が冷めたってこの気持ちも冷めるだなんて分からないじゃないですか。そんなことがわからないほど、コーンは子供じゃないですよ、」
「そうだよな。わりぃ、」頭の次は手を撫でるポッドの手は熱を帯びていて、優しくでもなんだか寂しそうで。冷たいコーンの手を優しく包み込む。
「お前、熱あるくせに、手つめてぇのな。」
「そう言うポッドは熱もないくせに手、暖かいんですね。」
「まぁな」そう言って、今度は体をギュッと抱き締める。
「貴方も、寂しいんですね、」
紅い髪がピクリともせず自分から離れないのは、肯定の印ですね。
居なくなってしまった、緑の髪をもつ彼は、今何を思ってるんでしょ。駄目な兄貴と弟を置いて、ひどく心配してますかね、ひどく寂しい思いをしてますかね。
わからないけど、コーン達は貴方独りがいないだけで、心にぽっかり穴が開いたみたいです。
でも、穴を埋めるのは寂しいもの同士二人で足りそうです。