「なあ、今こっちに黒ずくめの男が来なかったか?」


スラリとした長身で、パッと見イケメンが走ってきた。どうやら誰かを探しているみたいだ。


「黒髪黒服のお兄さんには会いましたよ、さっき」
「黒髪…?また外れか…」


フーッと息を吐いて、私が座るベンチの隣に腰掛けた。膝上で丸まる黄色い鼠を見た、彼は。


「すげえな、それ“ぴかちゅう”だろ?最近の技術にはまいったぜ」


まるで生きてるみてえだ、と“ぴかちゅう”を撫でる彼。まるでも何も生きていますよこの子は。


「…お兄さん、誰?」
「俺は工藤新一。巷では平成のシャーロック・ホームズって呼ばれてる、探偵さ」


探偵…。ふうん、と物珍しげに、工藤さんを眺めた。探偵と言えばエルキュール・ポアロかな?文学に疎い私でも、覚えているその名前。口に出せば、


「バーロー!名探偵って言えば、シャーロック・ホームズだろ」
「えっ、と…ごめんなさい」
「…っと、ワリィ、また事件が起きたみてーだ。じゃーな」


携帯を見て立ち上がると、片手を振りながら、駆けて行く。工藤さんを見て、何かに突き動かされた。
私もロケット団を潰そう、と。










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餡子さんのリクエスト
名探偵コナンの工藤新一
あれれ〜?おかしいぞ〜?





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