「なあ、ロベルト……マリウスは可愛くて美人で性格も良いし、本当に良い嫁だ」
「なんですか……父上。母上が聞いたら、どんなお仕置きをされるか分かりませんよ」
「お腹が大きくなっているから、たいしたお仕置きは出来ないから (ヽ´ω`)安心しなさい。私はマリウスにすまないことをしたと思っている」
ロベルトがマリウスと結婚したいといった時に、初めから格上だから無理だろうと思って、真剣に結婚の根回しをしてやらなかった。
「……今思うと、あいさつには私ではなくてメリアージュ様が行くべきだった。そうしたら侯爵も黙ってマリウスを嫁に出したはずだ」
メリアージュ様は公爵家から絶縁されているとはいえ、父や兄に溺愛されていることは同世代の人間なら誰でも知っている。
「俺も……母上に協力をお願いすれば……マリウスにあんな思いをさせなくて済んだと……最近思う」
ロベルトにしてみれば、自分の境遇(最強公爵家)の血を引いている事を知らず、一族ではメリアージュ様が幅を利かせているのは知っていても他家にまであれほど影響力があるとは思っていなかっただろう。
メリアージュ様さえ登場していれば……マリウスの父クラレンスのメリアージュ様への怖がり方を見ると、メリアージュ様さえいれば全てが解決したはずなのに、と今更ながらに思わないでもない二人だった。
「可哀想な事をしてしまったな……」
「その分、父上も母上もマリウスを可愛がってくれて、マリウスは本当の両親と、いや、それ以上に好いているから」
「あんな可愛い嫁だから当然だろう!」
「……父上は本当はマリウスのような嫁が欲しかったんだろう? あんな雄雄しい母上で、本当に愛しているのか? 俺は今もって信じられないでいるけど……」
確かにマリウスのような楚々とした清楚な美人が好みだ。それは今も変わらない。
「ロベルトはメリアージュ様が母で嫌だったか? あまり母親らしい方ではないが」
「母親らしくなくって父親らしかったよな。逆に父上が母親っぽかったし」
監禁されている時はロベルトにも世話になったが、確かにご飯を作ったり細々としたことは私がしていたせいで、ロベルトにとっては父親らしいではなく母親らしい存在に見えたのかもしれない。今度の子は、きちんと父親らしいところを見せないといけない。
「っていうか、父上はストレスはないのか不思議なんですけどね。あんなに束縛されていて、何かストレスを感じないとか……有り得ないと思うんだけど」
「ストレス? (ヽ´ω`)疲労感は常に感じるが、私にとっては結婚してからずっとああだったので、特になにも感じないが?」
妻とはああいう方だと思っているので。それはまあ、マリウスのように閨で恥ずかしがってくれたり、奉仕……は何時もしてくれるか。それに、私が押し倒したときはメリアージュ様もとても恥ずかしいがって可愛かった。
攻めはきついがそれがメリアージュ様なりの愛情なので。
そもそも私のような平凡な男の元に、あのような高貴な方が嫁いでくださったのだ。私を束縛できることでメリアージュ様が満足してくださるのなら、喜んで束縛されなければならない。
それに、本当のご両親とオーレリー様がアルフ様にあれほど愛されていたのだ。だから私も大事にしなければならない。同じほど大事に出来ているかは自信はないが、それでも私に出来る精一杯の愛でメリアージュ様を包んで差し上げたい。
「疑ったときもあったけど、本当に父上は母上のことが好きなんですね……」
「ああ……何故か信じてはくれないがな」
「俺もですよ。毎日のように愛していると言っているのに、話半分どころか、コンマ0.1くらいも信じていないし」
ロベルトは仕方がないだろう。別の婚約者役を作ったりしていたから。しかし私は、確かに初めは驚いていたが、割と初期の間に好きになりました、大事にしてあげたいのですと言ったのに。あれから何十年。マリウス以上に私の愛は信用されていないような気が……
「そう思うと、我々の妻は、似ていないようでそっくりだな……」
でも、そっくりなら、もう少しメリアージュ様にデレがあっても良いような……ツンが普段から多すぎるんだが。
マリウスも少しツンがあると、小悪魔っぽくなって意外性があって良いかもしれない。
とそこまで考えた所で、メリアージュ様が野生の感で私がいけないことを想像したと察知したようで……
「父上……あれから大丈夫でしたか?」
翌日になって息子とのお茶会から連れ去られた私を心配したらしいロベルトが出勤まえに顔を見せたが。
「何時もの事だ(ヽ´ω`)気にせず仕事に行きなさい」
昔のように全裸で拘束されている私を気の毒ように見ている息子がいた。1つ違ったのは昔はロベルトが番人をしていたものだった。
懐かしい思い出だ(本当にか?)
「メリアージュ様……お願いが」
「何だ? 拘束は外してやらないぞ!!!」
「次の子が生まれましたら……全裸拘束の番人に採用するのは止めて下さい」
「そうだな……ロアルドの裸は息子といえども見せてはいけないと俺も反省した。つい、ロベルトはお前に似ていたので安全パイだと使ってしまっていたが、次回からは考慮しよう」
こうして次男には威厳のある父親像を見せれる……のか?
メリアージュ様がメリアージュ様である限り無理なのだろうかと、悩みながら三日間の監禁生活を終えたのであった (ヽ´ω`)。
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