「姫初めとか、着物クルクルとか異世界の行事って、夫側が喜ぶものばかりでつまらないです」

「まあ、夫側ばかり楽しんで妻側は楽しくない行事だよな」

「まあ仕方がないだろう? うちの国ほど夫に優しい国はないのだから」

魔力がないと権利がない。だから女性に優しくない国だと思われがちだが、女性には皆優しい。初めから魔力がない状態で生まれてきて当たり前の存在なので、守られて当然なのだ。
しかし男には魔力の差と言うものが歴然とある。
妻は夫よりも魔力がどうやっても低い。そのせいで、当主になるのは当然夫側。権力があるのも夫側。夫に都合の良い法律ばかりが出来、妻に優しくない。
離婚も出来ないし、監禁もOKだし、強姦もOKだし、暴力は夫側は振るってはいけないが、暴力は振るわなくても性的暴力はOKなんて明らかにおかしい理屈なのに、おかしくないことになっている。

「去年は、俺たちが着物を着て、姫初めをしたい、でしたか? じゃあ、今年は反対の事をしてもらいますか?」

「反対? というと、夫たちに着物を着せて、姫初めを強要するんですか?」

「別に嫌がらずともするだろ? 嬉々としてやるはずだ」

そう、エミリオの夫ギルフォードは花のような美貌の持ち主だ。エミリオは出会ってから押し倒されるまでの間、ギルフォードは自分の妻になりたいのだろうと思い込んでいた。そのせいか、高慢で嫌な嫁になりそうと、余計に結婚をしたくなかったのだ。顔も好みではなく、しかし世間一般で言ったら物凄い美形なのである。着物を着たらエミリオなんかよりも余程妻らしいだろうし、着ろといえば何の恥じらいもなく着るだろう。

この会話から着ろと言ったらどうするかと思って、この後実際に家に戻って着ろと命じたら、おしげもなく全裸になり(一秒もかからず)全裸で着物を着て、僕を食べてください(*^ω^)と淑やかに、股間の物を勃起させながら言っていた。

「まあ、着物くらい平気ではくでしょうね。エッチな下着でもはかせましょうか? 普段、奥様方にばかりエッチな格好をさせて喜んでいるんだから」

ちなみにギルフォードは嫌がりもせず、エミリオとお揃いの下着を嬉々とした着た。

「お前は隊長をいびるために、お前のセクシー下着をつけさせて周知の事実にしているだろ」

「そうだ……ヒモパンの隊長なんて見たくなかったのに」*クリスマスにルカがアンジェの元へ家出?をしたため、ヒモパンをはかせたままの隊長をエルウィンは迎えに行かせました。結果見たくもないのにクライスはヒモパン隊長を見てしまいました。

「クライス様、まだ隊長のことを好きなんですか?」

「そんなわけあるか!!!! ただ暗黒の記憶が、俺があんな男を好きになったという事実が居た堪れなくて……」

「クライス様と隊長が結婚していたら、きっと大事にして貰えたでしょうに、残念ですよね隊長は」

「エミリオと結婚したって大事にして貰えただろう。一応一族の長なんだから、お前だって顔を立てるだろ?」

「私は仮初の婚約者だったから結婚するつもりはなかったぞ。あの浴場で股間の物を堂々と見せびらかせているのを見た時から絶対に結婚をしないと決めていた」

「そういえば、ヒモパン隊長を見て相当ショックを受けていたみたいですが、クライス様は隊長の全裸を見たことがなかったんですか?」

「……恥ずかしくて見れなかったし、そもそも一緒の風呂に入るのが無理だったので俺は官舎の個室にある風呂にしか入ったことはない」

「なら、はじめて見た感想はどうでした?」

「………」

「エルウィン、そう言うな。隊長の物を見た感想なんか言ったら、大晦日とお正月限定で開放してもらっているのに、すぐに花嫁の塔に逆戻りだぞ」

「だって兄弟の嫁同士なんだから、ユーリ隊長のを見慣れているクライス様がどんな感想を持つのか気になります」

「同じような物だろう………」

「え? やっぱり顔も似ているから、アソコもそっくりですか?」

「ヒモパンの印象が強すぎて、そっくりかどうかまでは覚えていないし、脳が拒否するが……似ているような気はする」

「太さは?長さは?大きさは?色合いは?」

「何でそんなに気にするんだ?」

「だって、同じ仲間か気になるんです!」

「………ユーリは隊長に勝てる物はないけど、負けるものもないってはっきり言っていたから、大きさでも負けてないんだろう? 負けていたらきっと悔しがるだろうし」

「そうですか?……なんかこう、ユーリ隊長はゲスなんですか、顔立ちは隊長よりも優しげな感じが若干しますし、紳士の仮面をかぶっていますから……こう、優美な感じのあそこのような気がしていたんですが」

「優美な股間って……優美かどうかは知らんが、隊長と比べたら浅黒い気がする……」

「ああ、エルウィンと違ってクライスは好き放題されているから、隊長とは比べ物にならないくらい使い込んでいるんだろ、ユーリは」

「そうですね、おそらく100倍くらい経験値が隊長とユーリ隊長では違うと思うので、使い込み度はきっと半端ないんでしょうね!」

「部隊の誰かが、隊長は子持ちの癖に綺麗な色をしているって、噂をしていたな」

「ユーリ隊長の噂って聞かないですよね? 隊長の噂はよく聞きますけど」

それは露出度の違いなのだが。隊長は隊長であった頃から、一般騎士も使う浴場でまっぱで入っており、誰もがその股間を畏怖していた。だがユーリは隊長のように仲良く他の部員と入ったりしていなかったので目撃情報がないのだ。

「俺、隊長が一番かと思っていましたが、ユーリ隊長のほうが黒い分、極悪そうな持ち物っぽいですよね。そんなものに、毎夜虐められているクライス様が可哀想でなりません」

「放っておいてくれ………(−−;」

「段々クライスいじめのようになってきたな。まあ、それぞれ兄弟最強で良いじゃないか」

「俺が男好きなら良かったでしょうけど、男が好きじゃないし隊長が好きじゃないので、デカイ物を持った夫がいても嫌なだけです!!!」

「そうだな、嫌がらせにしたって俺はユーリに着物を着せて、セクシー下着なんか見たって何も楽しくない。むしろその後が怖い」

「ユーリ隊長もヒモパンはかせたら、隊長みたいにボロンって感じなんでしょうかね?」

「想像したくない」

想像したくもないのに、エルウィンに変なことばかりを言われたせいで、クライスの初夢はユーリの下着ボロンだった。新年早々、変な夢を見せられたクライスは今年一年も良い事がない気がして仕方がなかったという。

三人の話題では、隊長とユーリが王国一と(ユーリは腹黒さと一緒の色)と決定されたが、異論を唱える人々がたくさんいた。

その1
「酷いよ!酷いよ! 僕が粗末なものだって言いたいわけ!!?? エミリオが隊長の物を見ていたのもいやだし、比較して僕のほうが小さいって認めたのも嫌!!!!」

「誰もお前が小さいなんて決め付けてないだろ」

「だって隊長たち兄弟が王国一って認めたんでしょ! なら僕のは小さいってっ!」

「異論を唱えたらお前のがどうとかこうとか言わないといけなくなるだろう? ユーリと隊長のボロンで盛り上がっていたんだ。そこでギルフォードも負けないと思うなんてわざわざ言う事でもないだろ? そんなにお前は股間のものを自慢したいのか?アホだな」

「違うもん! けどけど、エミリオの夫が祖チンだって恥ずかしい思いをエミリオにして欲しくないだけなんだもん!!!」

「あのな、エルウィンたちにとってでかい夫を持つのはステータスでもなんでもない。逆に小さいといったほうが羨ましがらせるんだ。まあ、お前の大きさは私だけが知っていれば良いことだろう? お前の早漏さもな」

「エミリオっ! ちょっと感動しかけたけど、大きさは自慢してくれないのに、早漏さだけ何時も言っているよね、僕は早漏じゃないって言っているのに」

「候は褒め言葉だといっているだろう? まあ、お前の股間は王国一じゃなくって、リエラ一ということで良いだろう?」

「ちょっと納得しがたいけど……」

「どうしてそう、男は大きさに拘るんだ……別に、どうでも良いだろう? 大きさは見比べたわけじゃないので何とも言えないが、三人の中でお前が一番素敵(ルビはまとも)な夫だ。な?」

「エミリオも一番素敵な奥さんだよ!!!!」


その2

「せんせーの大きすぎるよっ! ハンスは小さいのに何で?」

「ハンフリー様、だから魔力が大きいと……って、何でハンス様の大きさを知っているんですか?」

「だってノーラが魔力が大きいと、ちんこも大きいっていうから、僕本当が知りたくって……ハンスの隠れてお風呂で見たんだ。そしたら小さくって、旦那様の半分以下だったよ! 僕より小さかったんだ。魔力が大きいとちんこ大きいのって嘘なんでしょう?」

「それはですね………旦那様に聞いてください」

「旦那様、何で旦那様のはそんなに大きいの? 魔力が大きいとちんこも大きいってノーラが言って、信じていたけど……ハンスは小さかったよ」

「ハンフリー、もう結婚しているんだ。いくらハンスは弟とはいえ、夫の私以外の物をみてはいけないだろう」

「だって、ノーラが言ったこと確かめたかったんだもんっ!」

「ハンスはな……魔力はハンフリーよりは大きいが、一般的に見たら物凄く強いという訳ではないからだ。世の中には、階級で分けるとミニマム級(魔力がない)・ライト級(魔力が少ない〜普通))・ヘビー級(まあ高い)・王国級(魔力が高い)と4つの段階に別れているんだ」

「難しいんだね」

「で、王国級レベルになると、ノーラの言うように魔力が高いので大きいという事になるんだが、ハンスの場合はライト級クラスなので、ノーラの言う法則に当てはまらないという訳だ」

「じゃあ、旦那様が王国で一番大きいんだね? だってあんなに大きいんだもんっ!」

「流石に王国一じゃないだろう。世の中には上には上がいるものだぞ?」

「そんなわけないもん! だって何時もせんせーのお尻が割れちゃいそーになるんだもんっ!」

「(お尻は割れないんだが、可愛いので微笑ましく見ている)」

「先生のが王国一だよ!」

その3

「お義父様、メリアージュ様、明けましておめでとうございます」

「父上、母上、あけましておめでとうございます」

「ああ、おめでとう。今年もよろしくな」

「おめでとう(ヽ´ω`)」

「なんだか、新年早々疲れているように見えますけど…?」

「何でもない」

「お義父様が身につけているの、前掛けじゃないですよね? 似ていますけど」

「ああ、これか。去年は俺が異世界の着物というものを身につけて奉仕をしてやったので、今年はまた異世界から取り寄せた『褌』というものを今度はロアルドに身につけさせている。俺は身重だしな。奉仕も拒否されたので、仕方がないから目の保養をさせて貰っている」

念のため言っておくが、毎度、メリアージュはロアルドに前掛け(全裸)をさせているが、ロアルドの股間隠し度はすさまじい物があり、何があってもポロリをしないようになっている。従って、マリウスはロアルドの股間を見たことはない。
見たら、息子のロベルトも許さないし、メリアージュも自分がそんな格好を強制させていながら、嫉妬する事間違えなしなので、ロアルドはそれはそれは頑張って股間を隠しているのだ。

「お義父様って隠し方が上手いですよね」

「小さいんだろ」

ロベルトも父親のものを見たことがない。幼い頃から両親の閨での声を聞かされ、玄関で押し倒している母を見て育ったはずのロアルドだが、メリアージュも股間だけは隠して夫にお仕置きをしていたし、ロアルドも全裸で拘束されようが何故か股間だけは頑張って隠していたので、ロベルトは父の股間の大きさを知らない。別に興味もなかった。

「ロベルトっ! お前は父を馬鹿にしてはいけないだろう!」

「馬鹿にしているわけではないですが……興味ないだけで。ただ、うまいこと前掛けで隠れるから小さいんだろうって想像しただけだ」

「お前の父親はな、心は穏やかで怒る事もしないが、股間は俺が鍛え上げているので、それはもう大木に育ったんだぞっ!」

別にロアルドは元から小さかったわけではない。むしろ大きなほうだろう。
しかし、その大きなほうでも、妻も猛攻撃を毎夜受け、妻が乗ってくるので生半可な太さでは折れてしまう。
防衛本能が高かったのだろう。日ごと、妻に乗られても折れないように、太く太くなっていったのだ。
それはまるで、嵐に耐える木が大木に生長していくような様だ。

「メ、メリアージュ様っ、そんな恥ずかしい事を自慢してもっ…」

「いや、誇らしくするべきだっ! 俺の夫なんだからな! 王国一の太さに違いないっ!」

「ロベルト、俺、他の人の見たことないけど」

「マリウスは他の男の穢れたものなんか見たことがなくて当然だ。見る必要ない」

「うん……比べようがないけど、俺にとってロベルトが一番だよ」

「マリウス、可愛いな」

と、それぞれ異論があり、皆自分または自分の夫が(良い意味でも悪い意味でも)一番だと主張し、決着はつかない。

しかし、隊長が大きいのは多数目撃情報があり、信憑性が高く、また国王なので、隊長が大きいのに異論がなかった。ザナンバーワンの称号を受けた隊長は………

「ただでさえ変態なのに、王国一大きいなんて、最悪ですね………今年もよろしくしたくないけど、一応お腹の子の父親なので……それしか価値がないですが、よろしくお願いします」



「ねえ、クライス、俺が兄さんに負けるの?」

「負けたなんて言ってないだろ……」

「そもそも比較対象が出来た時点で憎憎しい……兄さんのを見たなんて」

「見たくもなかったわ!」

「あっちのを記憶の端から消去するために、俺のをたくさん見ようね。今から塔に戻ろうか(^▽^)嫌と言うほど見せてあげるよ。どうせ、俺のって俺の性格と一緒で腹黒いんだろう? クライスにたくさん汚してもらおうかな」






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