「リリス……なんか最近……毛深くなってきていないか?」
それは仲の良い従兄弟の一言で始まった。
祖母が辺境伯家の出で、僕にも遠くその血が流れていた。可愛い顔に生まれた時から、周りはこの子は将来もてないかもしれないと言われていたらしい。
僕はその言葉を聞いたときから毛深くならないで下さい!と祈っていた。だけど月日は無情だ。まだ僕は15歳だというのに、もう辺境伯家の呪いが降りかかろうとしていた。
「し、思春期なんだから仕方がないよ」
「でも……ちょっと毛深すぎるような?」
「そ、そんなことないもんっ!」
従兄弟のルドルフの言葉に僕は猛烈に落ち込んだ。もてないスパイラルの片鱗がもう現れていたことに絶望を感じた。ルドルフは僕の拗ね毛を見て、引いていた。ルドルフも毛深い男は嫌いなんだ!
僕をお婿さんにしてくれる気はないのかもしれない。
「兄さん……僕はもう駄目かもしれない」
「何を言うんだ! リリス! 最近はな、毛深い男が夫の本が大流行しているんだぞ! 毛もじゃ攻めというジャンルが出来つつあるんだ! ルドルフには毛を見せ付けるようにして、威圧的に行け! 何時までも毛深いのがもてないと悲観をしているな!」
「そんなことを言っても、もてないものはもてないんだよ! 兄さんは良いよ……母さんに似たから、毛深くないし」
その代わり、兄は腐男子という性質を母から受け継いだらしい。どんな性質か良く分からないけれど、それで母さんと一財産築いたらしい。
「じゃあ、そうだな。巨根男子というのはどうだ? これも一大ジャンルを築いている。お前はお前の息子を見せつけ、ルドルフに迫るんだ!」
まだ毛深いのをアピールするよりもいけるような気がした。
しかし、どんな場面で見せるんだ? トイレか?
しかし全て個室だし(*この国では子ども時代は個室。結婚すると、妻トイレ、夫トイレと別れます)お風呂……は最近ルドルフが一緒に入ってくれないし。
「ルドルフ……相談があるんだ」
「どうしたんだ?」
少しだけ年上のルドルフは頼られるのに弱い。昔は僕を子分のように扱っていたし。
「その……僕、自分で一人エッチが上手くできないんだ。ルドルフ、やり方教えてくれないかな?」
「そんなもの!……結婚する相手でしか、教えあってはいけないものなんだぞ!」
「でも……僕、今腫れあがっていたいの。ルドルフにしか頼れないから……どうして良いか分からない」
痛い痛いと無くと、ルドルフはオロオロしだし、しょうがないなと僕に見せろといった。
「うわっ……お前こんなに大きくして、痛いはずだろ。えっとだな……確か、握って、擦って出すだけだ。簡単だろ?」
「でも、僕そうやってみたけど、できなかった。ずっと痛いままで……ルドルフ、見本見せて?」
そういうとルドルフは絶句していた。ルドルフは、比べられたくないし、こういうのは結婚相手にしか見せちゃいけないしと言って、見せてはくれなかった。
「もう僕ずっと大きなままなんだ……痛くて歩けないし、皆から親族の人みたいに大根お化けって言われて虐められるしかないんだっ!」
「リリス、お前が大根お化けのわけないだろ! そりゃあ……ちょっとありえないくらいでかいし、下の毛もジャングルになっているけど! でも、そんなこと言うやつから俺が守ってやるから! な、なんとか小さくならないかな……こうすれば良いのか?」
ルドルフが僕のを握ってくれた!
ごめんね、こんな汚い物を握らせて。
「うわ! またでかくなった……変な汁が出てくる。って何だよ! 顔にっ、にがっ」
「ご、ごめんね! 顔を汚しちゃって……」
ルドルフが握ってくれただけで出しちゃった……しかもルドルフの顔に全部ぶっかけちゃった……
「良いよ……これでちょっとだけ小さくなった……ような。歩けるか?」
「待って! 僕今、初射精をしたんだよ(嘘です。毎夜ルドルフ相手にもうどうして回数こなしています)ルドルフは僕の初めてを奪ったんだ!!!」
「え? 俺、リリスの初めての奪ったのか?」
「そうだよ! 僕は……もうお婿にいけない身体にされたんだから、ルドルフが責任とって、僕をお婿さんにしてよ!!!」
「って……確かに……こういうことは結婚相手としかしちゃ駄目だけど。でも、緊急を要していて……」
「じゃあ、僕の将来の結婚相手に言える? ルドルフが僕を初射精に導いて、顔にぶっかけたって! そんなこと知れたら破談だよ!」
「いえ、な、い……」
「でも言わないと不誠実だよね。で、言ったらもう僕なんか相手にしてくれないよ。もう一生僕は独身なんだ。大根お化けだから結婚できない上に、不道徳な男だからって後ろ指を指されるんだ。こんな僕にしたのに、リリスは責任とってくれないなんて……酷いよ! 責任とって僕をお婿さんにしてよ!!!」
「で、でも……これとするのは……ちょっと」
やっぱり巨根は人気ないんじゃないか! 兄さんの馬鹿!!!
でも僕の攻め方は巨根をアピールじゃないんだ。こんなことを僕にしたことでルドルフに責任を取らせて見せる。
「18歳になるまでに、僕のが入るように、僕が毎日リリスのお尻を舐めて、解して、痛くないようにするから! 大根だってきっと気持ちよくなれるよ!……従兄弟の僕が可哀想だと思って、僕をお婿さんにして? ルーちゃん……お願い」
ルーちゃんとは昔僕がルドルフのことを呼んでいたあだ名だ。ルドルフは僕に甘えられるのに弱い。
「リリアおじさんも、ルバート叔父さんと上手くやっているし……こんな大きくても、大丈夫なんだよ、な?」
「うん! 大丈夫だよ!」
母さんは、エムだから……と兄さんが言っていたけど、関係ないよ!結婚式までに、僕のが入るように毎日リリスのを慣らしてあげるから。
こうして僕は、まだそれほど毛深くない時代に婚約者をゲットした。
18歳になるまでにジャングルどころか密林になってしまった僕の毛だけど、もう相手がいるから大丈夫です。
色んなところが成長して、初夜に泣いて逃げられそうになりましたが……もう結婚しているのでルドルフは逃げられません。
毛深い親族一同に告ぐ!
毛深くなりきる前に、恋人をゲットすれば良いんです。
「………噂で聞いていた、毛深い大根のコンボって凄い破壊力だった……」
と結婚初夜に妻に嘆かれる事を覚悟すれば……(;Д;)
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