「旦那様」
甘く私を誘うその声。
私の未来の幼な妻、イーディスだ。
イーディスは私の理想の妻そのものであり、長年独身を貫いてきたのもイーディスに出会うためだったのだろう。
私は皆からマザコンだと言われているが、自分ではそうとは思わない。確かに母上のことは慕っているし、母上のような妻を娶りたいとは常々思っていたが、男は皆母に似た男性を好きになるだろう。だから私も母に似た男性を妻にしたかっただけだ。
そしてイーディスに出会ったときに、イーディスこそが私の妻になる少年だとすぐに気がついた。母国に帰しては会えなくなるので当然私の城に住んでもらっている。イーディスは姿こそ私の母に似ているが、母のようなどこか悲壮感が漂う容貌ではなく、まるで私を惑わせるような子悪魔のような色気を常に漂わせている恐ろしい15歳の少年だったのだ。
わが国では誘拐は合法だ。誰も責めたりはしない。しかし私は誘拐したのではなくイーディスが自ら私の懐に飛び込んできたのであって、私は何も悪いことはしていない。すぐに妻にしたかったが、イーディスは15歳だった。
わが国で最も悪いこと、極刑に値する事は、(同国民)強姦と未成年との性的交渉(外国人も含む)だ。
18歳未満の青少年と性交渉を持ったら死刑とされている。それは未成年の少年はまだ魔力が安定しない事が多く、基本的には生まれ持った魔力が本人持つ魔力になる。血筋と才能がものをいう世界なのだが、稀に努力の末魔力を底上げする者もいる。しかしそれも18歳を超えてしまえば魔力が上がる事はなくなる。しかし魔力が安定しない、または上がっている最中に性的交渉を持つ事は、危険を伴うことになるので、禁止されている。
しかしイーディスは見る限り魔力は安定しているし、手を出しても問題はないはずだ!
すでに婚約者で一つ屋根の下に暮らしている。もはや夫婦といっても過言ではないはずだ!
は、はやく、早くイーディスと交わりたい!!
妖精に近づいているからじゃない! 私が未だに純潔を守り続けているのはイーディスに会うためだったからで、何も恥には思っていない!
私に色気を振りまいているイーディスに手を出さないほうが、恥だ!
「旦那様……俺、旦那様と処女で初夜を迎えたいんです」
(;:゚:;д;:゚:;)
「旦那様……俺、処女のままで清らかな体で結婚して、旦那様に捧げたいんです」
そ、そんなことを言われたら……私は穢れている。こんな純粋なイーディスを結婚前に汚そうとしていたのだから。
いくらイーディスが色気ムンムンで今にも手を出してくださいと私の差し出すエッチな下着を着けてくれたからといって、処女を奪ってはいけないのだ!!!!
あ、あと2年と少し、処女の婚約者と同じ屋根の下で暮らしながら……私はイーディスを抱く事ができないままだった。
しかし、今日、やっと、やっと、やっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
結婚式がやってきたのだ。イーディスの18歳の誕生日が私達の結婚記念日となる事にもなった。
18歳になったイーディスはとても美しい少年に成長していて、今夜の事を創造するだけで鼻血が噴出しそうになった!
きっとそれはそれは淫らだろう。イーディスにエッチな下着を着けてもらった時、イーディスはまだ下の毛は生えていなかった。
あれから2年と少し。もう、あそこは生えているのだろうか。それとも国王陛下が崇める王妃様と同様にパイパンのままなのだろうか。それはそれでロマンスなのかもしれない!
部下たちが、とうとう妖精卒業ですね!
私達が連れて来たイーディス君が隊長(出世した)の奥様になられるなんて、部下冥利尽きます!と泣いているのを無視して、私の頭の中には初夜のことしかなかった。
3年も待ったのだ!
花嫁は先に宴会から出て、支度をして夫を待つのが慣例だ。イーディスも私の弟のグレイシアに連れられて初夜の支度をしているはずだ。
弟のグレイシアは色彩こそイーディスや母上に良く似ているが、イーディスのように色気駄々漏れというタイプではない。むしろ妻というよりはクールな夫になりそうな雰囲気だったのだが、何をも違ったのかイアンという可愛い顔をした男の妻になっていた。だが世間ではグレイシアは稀に見る良妻と有名らしく、グレイシアに妻教育を任せれば良妻賢母になる事間違いなしと言われているようなので、イーディスを任せてある。
私もそろそろ3年間の股間の我慢が出来なくなりそうだったので、いそいそと寝室に向った。
ベッドにはイーディスが横たわっていて、清楚な絹の花嫁夜着を纏っていた。
な、なんと美しいのだろうか!
あの夜着の下にはどれほど淫らな下着を身に着けているだろうか!
いいや、ひょっとしたら何も着けていないかもしれない!
そしてまだ誰の者にもなっていない、瑞々しい肌は!
いかん、鼻血であの夜着を汚してしまいそうだ。
「イーディス……何て美しいんだ! やっと、やっと私の物に出来るなんて!……こっちを向いておくれ。恥ずかしいのか?」
イーディスは恥ずかしいのか、枕に顔を伏せたまま私のほうを向こうとしない。だが、その肢体は私を誘ってやまない。
「イーディス、待ちに待った初夜なんだ……どうして泣いているんだ!?」
イーディスの顔を強引に私に向かせるとイーディスは静かに涙を零していた。
「旦那様……せっかくこうして旦那様と結婚式を迎えることが出来たのに……俺、どうしても一つだけ悲しくて、どうしようもないんです」
「どうしたというのだ! 私と結婚できた夜にそんなふうに泣かないでくれ! 私が何でもしてやるから!」
「本当ですか?」
「当たり前だ! 愛するイーディスのためなら、何でもしてやる!」
私にできない事はそうないはずだ!
生まれ持った魔力、地位、財力。どれをとっても、そこらの男に負けるわけはない。
「俺……今日の結婚式に、両親がいてくれなかったことが、とても寂しかったんです」
私の両親だって来ていなかった、別にどうでも良かった。父は母を軟禁しているせいで、母はもう30年以上実家の城を出た事がない。
「一人息子の結婚式をきっと見たかっただろうし、両親に俺の結婚を祝福して欲しかったんです。でも、両親は俺が生きている事すら知りません。きっともう死んだ者と諦めているでしょう……でも、生きているって、こんな素晴らしい旦那様にめぐり合えたって知ってほしかったんです」
イ、イーディス! そうだな、こんなに優しい少年なのだ。両親にもこの良き日を祝ってもらいたかっただろう。
「でも、無理ですよね……この国でそんなことを言ったら、国が滅びたこともあったって聞きました」
「イーディス! 私をそんな野蛮人と一緒にするな! 確かに過去、誘拐してきた花嫁が国に帰りたいといったために、、だったら帰る国をなくしてやろうといった花婿はいたかもしれない! それが私の先祖だったことも否定できないが、だが! 私はイーディスが望むなら、イーディスの両親にイーディスの花嫁姿を見せてやろう!」
「本当ですか!? 旦那様! 嬉しいです!」
「ああ、明日にでもイーディスの国に行こう、だから今夜これから」
「……ごめんなさい、旦那様。両親の許可がないまま旦那様に抱かれるわけにはいきません。いいえ、両親もきっと旦那様との結婚を許してくれるでしょう! けれど、俺はちゃんと両親に祝福された時に旦那様と結ばれたいんです! 分かってくださりますよね?」
(;:゚:;д;:゚:;)
わ、私の股間、イーディスのために我慢をシナクテハナラナイゾ。
「旦那様! 嬉しいです!……俺、こんな優しい旦那様と結婚できて……」
イーディスが私に抱きつき、初夜を迎えないまま生殺しの状態で、一緒に寝た。
ちらりと見えた下着は……清楚ながらも淫らなものだった。今夜その下を拝めるはずだったのに!
翌朝、早く初夜を迎えたい私は、すぐにイーディスの故国レザンにやってきていた。勿論イーディスと一緒にだ。イーディス一人だと転移に何回もかかるということだが、私と一緒なら一瞬でレザンにやってくることは可能だ。
「旦那様と一緒ならすぐにでも両親に会えます……これからも、こうやって里帰りできたら……いいえ、旦那様の物になった俺が里帰りなんて許されないですよね?」
「イーディス! 私はそこまで心が狭くはないぞ! ご両親に会いたいのだったら、私が何時でも連れてきてやろう!」
「旦那様! 俺、旦那様みたいな心の広い方の妻になれて本当に嬉しいです!」
イーディスのご両親は息子を見て、やっぱりこんなことになっていたのか、というようなことを言っていたが、私を見て息子をよろしくお願いしますと頼まれた。(嫌がると国を滅ぼされるのが分かっていたので、誘拐家系のこの家なりの処世術であった)
「勿論、イーディスは私の大切な妻だ! 大事にする! 安心してください、義父君、母君」
「お父さん、旦那様は里帰りも自由にさせてくれるって約束してくれたんだ! これからは何時も会えるよ!」
自由にとは言わなかったが……だがイーディスがこんなに嬉しそうなのだ。否定するのもかわいそうだろう。私も一緒という条件をだから、問題ないだろう。
「そうか……良かったな。大事にされてそうで安心したよ……お前が戻ってこなくなって、きっとあの国で……(誘拐されて)夫を見つけていた(強制)と思ったが、もう一度お前の顔を見れてこんな嬉しい事はない」
これでもうイーディスも思い残す事はないだろう!
今夜こそ初夜を!
「旦那様、ここが俺の部屋だったんです。今夜はここで寝てください」
「勿論イーディスも一緒にだろう?」
「ええ、勿論です」
はあはあ! もう我慢できない!
「旦那様……この城には両親もいます。両親にいる城で旦那様に抱かれるのは恥ずかしすぎてできません」
「何故だ! ご両親も祝福してくれている! 結婚したら夫に処女を捧げるのは当然のことで、両親もなんとも思わないだろう!」
「ごめんなさい! 旦那様。でも、その気になれません」
(;:゚:;д;:゚:;)
「旦那様、俺、この大陸を一周するのは夢だったんです。旦那様という伴侶が出来た今、勝手はできないですけど、新婚旅行に連れて行ってはくれませんか?」
「新婚旅行?」
勿論新婚旅行といえば、メクルメク官能の日々のはずだ!
あの国王陛下ですら、新婚旅行ではやりたい放題だったという!
「勿論だイーディス! どこに行きたい?!」
「大陸横断です」
そして次の日、ハネムーンに出発をした。ちなみにいまだ私達は結ばれていない。
あれだけ三年間我慢したと言うのに結婚したのに、何故だ!!!???
しかしイーディスの悲しそうな顔を見ると(;:゚:;д;:゚:;)我慢しなくてはいけないと思ってしまうのだ。
「旦那様、あの竜凄くきれいです! この湖畔、大陸一可愛い竜がいるって有名で、俺絶対に一度は来たいと思っていたんです」
「この温泉も、肌が綺麗になるって有名なんですよね」
その温泉につかって今夜こそ、私にその肌を許して欲しい。
「ここのご飯も美味しいって有名なんですよね!」
イーディスのほうが美味しそうだ。
そして夜……
「旦那様、俺……」
今度は何を我慢すれば良いのだろうか。
両親にもあわせてやったし、両親のいる城ではしたくないからと我慢して新婚旅行にもやってきて……もう私の息子は限界異常の我慢を強いられている。
「イーディス、何でも言ってごらん」
いや、もう何も言わないでくれ!
「旦那様……優しくして下さいね……」
う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
や、優しくするのだぞ! 私の息子よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今から本当の息子を作成するのだからな!!!!!!!!!!!!!!
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「新婚旅行どうだったんだ?」
「グレイシアさんに言われたとおり、三回に一度は拒否しました。旦那様の脂汗面白かったです(笑)」
「王妃様みたいに拒否しまくれば、そのうち我慢の限界が来てある日とんでもない事をしでかされる羽目になるんだが、三回に一回くらいなら可愛い我がまま程度にしか思われないだろうし、良いスパイスだと思ってお預けを食らわせてやれ。何でも言う事を聞いてやる必要はない。兄がいい気になるからな。年下というメリットを生かして、振り回してやれば良いさ」
「はい、グレイシアさん。これからもご指導よろしくお願いします」
それからも第5部隊隊長リーフィアは年下妻の我がままに翻弄され、しかし我がままを言われて鼻の下を伸ばしながらエッチを三回に二回は我慢させられたという。
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