15
今日は舜一との日。あいつが土日指定だから、朝ご飯が終わった後にやってくる。

舜一が加わるまでは俺が玲人の部屋に行っていたが、2人を相手にするようになって、いちいち相手に部屋に行くのが面倒になり、2人にこっちに越させるようになっていた。

シャワーを浴び、身体をきれいにした後部屋に戻ると、玲人が来ていた。

「玲人?今日は舜一の日だぞ?」

分かっているはずだが何のようなのだろうか。

バスローブを羽織っただけの俺に、何かを訴えかけるような目で見ている玲人。

「今から、舜一とするんだよね」

「するだろうな」

分かりきったことだろ?

「あの、見てちゃ駄目?」

「は?」

今なんてコイツ言った?見たい?

「それって、俺と舜一がセックスするのを見たいって言う意味か?」

「う、うん……駄目?」

「見られながらするセックスに興味ない」

そういうのが好きなやつもいるだろうが、俺は絶対に嫌だ。何が悲しくて、舜一に抱かれている俺を幼馴染に見せないといけないんだ。

「だって、だって……土日は舜一が独占しているから、恭ちゃんに会えないし!」

「それはお前らで決めた曜日だろ?嫌なら、土日のどっちかを変えさせようか?」

会えないから、セックスしているのを見たいとか無いから。それだったら曜日を変えさせる。

「本当に見ているだけだから!ううん……恭ちゃんが見られたくないって言うのなら、部屋の隅に座って本でも読んでいるか、勉強しているから!だからいちゃ駄目?」

「だから、普通そんなことしないだろ?何で俺、舜一に尻掘られて、部屋の隅っこでお前に読書でもされながら3人同じ部屋にいないといけないんだ?」

見ないとか言っても絶対に視界に入ってくるだろうし、声も聞こえるだろうし。

「だって、取られちゃうかも知れないから、嫌なんだもん!舜一と2人きりでいるほうが、恭ちゃん楽しかったら嫌だし……舜一が俺から恭ちゃんを奪おうって企むかもしれないから、一緒にいないと不安なんだ!舜一と2人きりにしておきたくないの……分かって、恭ちゃん」

「……別に舜一はお前から俺を奪おうなんてしてきていないが?」

そういう言動はなかったし。まあ、嫉妬はしているし独占したいのかもしれないが、別れろとか、行くなとか力づくで止められたこともないし。

逆にあいつは玲人とのことは言うなって言っているし。

「そんなの分かんないよ!だって俺見ていないもん!……でも、見ていたら安心できるから、お願い恭ちゃん、俺をここに置いておいて」

「あのなあ……2人もこういう相手がいる時点で、俺も真剣にどうかと思っているくらいなのに、そういうマニアックなプレイを要求されても……ちゃんと言っておくけど、見捨てるときは舜一とお前同時にするから、片一方だけ残すとかない。だから安心しろ」

捨てるときは一緒といわれても安心できないかもしれないが、どちらか片方だけ残すことはないとはっきり告げるが、どうしても一緒にいたいと言い張る。

「はあ……じゃあ、考えておくから今日は止めておいてくれ。突然そんなこと言われても、舜一だって嫌がるかもしれないだろ。俺もよく考えておくから、今日は帰れ、な?」

「恭ちゃん、俺はただ恭ちゃんといつも一緒にいたいだけなんだ。どんな恭ちゃんも見て、俺の知らない恭ちゃんはいないようにしたい……」

「それは、舜一に抱かれる俺も見ていたいってことか」

「……うん」

お前、見ないから部屋の片隅にいるだけって言ったくせに、やっぱり見たいんじゃないか。

これって普通の想いなのか?俺にもし好きな人か恋人がいて、こんな複雑な三角関係だったら、自分の想い人が他の男とやっているシーンなんて絶対に見たくない。

好きな人は今はいないが、誰が好き好んで恋人が他の男とやっているのを見たいんだろう。そもそも他の恋人がもう一人いる時点で俺だったら別れるがな。

「じゃあ、舜一と相談して、ちょっとだけ考えておくから、期待しないで待っててくれ。今日は舜一の日だから、今日は戻って。ほら?」

身体をクルリと回りして、ドアのほうへ向けるが、また俺のほうを向いて、ギュッと抱きついてくる。仕方が無く、抱きしめ返してやると、俺より数センチ低い背を伸ばしてキスをしてくるので、黙って受けていた。



*玲人は受けなのにヤンデレ風味?



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