酷薄
独り鳥
(あや)と雫
奪う金色
掠れる光
愛し恋し
紙の匂い
雛菊の鎖
宵の花々
死の記憶

虹の部屋
神の別名
喘ぐ純粋
溶ける香り
さながら星
濡れた首筋
目蓋と木蔦
枯れぬ情熱
古ぼけた鍵
凍てし横顔

休める仮面
花の止む夜
夢魔は(いざな)
春の自画像
選ばない手
白に煙る箱
掴めぬ安寧
一さじの嘘
解けて曖昧
結婚式の朝

汽車と並走
花咲く傘下
在るべき道
美しき笑顔
静寂は喚く
温もりの後ろ
慈悲深い蔑み
精一杯の悪意
淡く深く愛す
離陸準備完了

思い知る恐怖
遥か消え墜つ
週末の始まり
成り果てぬ夢
花冠と日暮し
戦死した言葉
辿り着く窓辺
失っても正義
通じ合う運命
愛すれば遠く

カミツレの丘
ラバンダの娼婦
午前四時の寝言
静寂を確かめて
思い出はどこに
差し伸べる信者
風のリフレイン
臆病で完璧な人
約束だったこと
志す意のままに

忘れがたき泡影
足りない花びら
誰一人叶わない
愛煙家の忘れ物
とめどない名声
砂時計は終わる
憧れは実在せず
()く言えば最愛
空を仰ぐ哲学者
春の花のように

蒔いた種は芽吹く
草葉に眠れる美女
どう考えても恋慕
黙しても聴こえる
涸れぬ瞳に愛し青
伝えられない呼吸
この手でいいなら
舞い落ちる温もり
微笑んでみただけ
思うがゆえの別離

君が振り向くから
鍵をかけたその先
盲目になっていく
ラベンダーの蜜の味
今日が過ぎ去る前に
故郷の空に架かる虹
これ以上の夢は無し
勘違いでも構わない
寓意があったにせよ
天邪鬼を笑ってくれ

誰が小鳥を殺したのか
何度でも枯れてしまう
今宵限りのラブソング
泣き縋りたかった激情
理想世界に閉じ込める
塵となりて積もる思いは
マリーゴールドの片隅で
好きだと叫べなかった理由
あったようでなかったもの
これが幸せじゃないなんて知っていた


2012.02.26 UP
今回意識したのは“春”“戦争”“悲哀”“花”“死にゆく人と最後のひと時”。
1201-1300

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