やっぱりまだ帰ってきてねーみたいだってばよ…
 ホントに今日中に帰ってくんのかよ‥カカシ先生ってば…

 「ラブラブな誕生日祝いしてあげるからね」、なんて云われたからさ…オレってば、すげー楽しみにしてたのになぁ…

 大体遅れんなら連絡ぐらいくれたっていいのにさ、先生も‥。
 そしたら無駄な期待なんかしなくて済むのに……

 ん………!アレぇ?

 「あ!!‥そう云えば…すっかり忘れてたってばよ」

 ポーチにしまいっぱなしだった物の存在を、今更ながらに思い出した。

 昼前にばあちゃんに呼び出されて任務なのかと思ったら、カカシ先生からオレ宛だっていう巻物受け取ってたんだっけ…

 「ヤベーってば。早く家帰って開けて見なきゃ」

 そうと決まれば一目散に帰るってばよ!!


★★★★



 バタバタと部屋に上がり、ポーチから巻物を取り出す。
 先生の綺麗な文字で"ナルトへ"って書いてあって思わずえへへっと笑ってしまった。
 その巻物を大事に持ってベットの上に乗って深呼吸を一つ。 どうか朗報でありますように…

 と願いながら、紐を解いて、一気に巻物を開く。

 開いた途端、ボフッと煙が上がって、オレってば不覚にも驚いちまった。

 「やっと呼び出しおったか…」

 驚いてるうちに煙は消えて、そこにはパックンが座っていた。

 「よぉ〜ナルト」
 「あれ?…パックン!!」
 「拙者を何時間も待たせよって…待ちくたびれたぞ」

 やや呆れ顔なのは気のせいじゃなさそうだってばよ

 「ゴメンってば。巻物貰ったあとにさ、サクラちゃんとシカマル達に捕まって。焼き肉Qで誕生日会だったんだってばよ…それですっかり忘れてたんだってば」
 「ほぉ‥そうか。同期連中と騒いでたんだな?」
 「ネジ達も一緒だったってば」
 「そうか。楽しかったか?」
 「うん、もちろんだってばよ」
 「と、暢気に話してる場合じゃなかったな‥。きっとあいつも待ちくたびれてるだろうからな。早めに用件済ますぞ」
 「用件?…なんだってば?」

 不思議に思って首を傾げてると、パックンがオレの方に白い箱と巻物を差し出した。

 白い箱はパックンと同じぐらいの大きさで、リボンがかけてある。

 「なんだってばよ、コレ?」 「カカシからお主にじゃ。箱の中身は誕生日ケーキだと云っておったぞ?」
 「誕生日ケーキ…ってコトは、せんせ今日中には帰ってこらんなくなったってことなんだってば?」
 「いや‥今回は一緒に任務に出とらんから、それは拙者にも判らん。ただカカシに届けるように頼まれただけだからな」
 「そっか……」
 「いつ帰って来よるのかは、直接本人に聞くと良かろう」
 「直接本人にって‥そんなん無理だってばよ?パックン」
 「無理じゃないからいっとるんじゃ。ほれそこの巻物を開けてみろ」

 パックンの視線の先にある巻物を手に取る。すぐには開けずに巻物をしげしげと観察した。

 こんな巻物でどうやって先生と逢えんだってばよ?

 「ほれどうした、早よう開けんかい」

 なかなか中を開けようとしないオレに、しびれを切らしたのか、パックンが早くしろと催促をする。

 なんだかよく判んねーけど、取り合えず云う通りにしてみるってばよ。

 紐を解いて、中を開いた。さっきみたくいきなり煙が上がんのかと思ってたら、なーんも起こらなくて拍子抜けする。

 「なんも‥なんねーってばよ?」
 「当たり前じゃ。開けただけでは奴は出てこん。中をよ〜く見てみろナルトよ」
 「へ?ああ、なんか書いてあるってばよ‥?」

 巻物には大きな丸と中くらいの丸が2個書いてある。
 真ん中の大きな丸ン中には"人"って文字が書いてあった。その両脇の丸ン中には"手"って書いてある。
 「一体なんなんだってばよ…コレ?」
 「いいから、つべこべ言わずその通りにしてみんかい」

 オレの頭の上に乗っかったパックンが、巻物を指さす。

 なんだかよく判んねーけど、やってみるってばよ

 「えーっと‥両手をここに置けばいいんだな‥」



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