ホントに今日中に帰ってくんのかよ‥カカシ先生ってば… 「ラブラブな誕生日祝いしてあげるからね」、なんて云われたからさ…オレってば、すげー楽しみにしてたのになぁ… 大体遅れんなら連絡ぐらいくれたっていいのにさ、先生も‥。 そしたら無駄な期待なんかしなくて済むのに…… ん………!アレぇ? 「あ!!‥そう云えば…すっかり忘れてたってばよ」 ポーチにしまいっぱなしだった物の存在を、今更ながらに思い出した。 昼前にばあちゃんに呼び出されて任務なのかと思ったら、カカシ先生からオレ宛だっていう巻物受け取ってたんだっけ… 「ヤベーってば。早く家帰って開けて見なきゃ」 そうと決まれば一目散に帰るってばよ!! バタバタと部屋に上がり、ポーチから巻物を取り出す。 先生の綺麗な文字で"ナルトへ"って書いてあって思わずえへへっと笑ってしまった。 その巻物を大事に持ってベットの上に乗って深呼吸を一つ。 どうか朗報でありますように… と願いながら、紐を解いて、一気に巻物を開く。 開いた途端、ボフッと煙が上がって、オレってば不覚にも驚いちまった。 「やっと呼び出しおったか…」 驚いてるうちに煙は消えて、そこにはパックンが座っていた。 「よぉ〜ナルト」 「あれ?…パックン!!」 「拙者を何時間も待たせよって…待ちくたびれたぞ」 やや呆れ顔なのは気のせいじゃなさそうだってばよ 「ゴメンってば。巻物貰ったあとにさ、サクラちゃんとシカマル達に捕まって。焼き肉Qで誕生日会だったんだってばよ…それですっかり忘れてたんだってば」 「ほぉ‥そうか。同期連中と騒いでたんだな?」 「ネジ達も一緒だったってば」 「そうか。楽しかったか?」 「うん、もちろんだってばよ」 「と、暢気に話してる場合じゃなかったな‥。きっとあいつも待ちくたびれてるだろうからな。早めに用件済ますぞ」 「用件?…なんだってば?」 不思議に思って首を傾げてると、パックンがオレの方に白い箱と巻物を差し出した。 白い箱はパックンと同じぐらいの大きさで、リボンがかけてある。 「なんだってばよ、コレ?」 「カカシからお主にじゃ。箱の中身は誕生日ケーキだと云っておったぞ?」 「誕生日ケーキ…ってコトは、せんせ今日中には帰ってこらんなくなったってことなんだってば?」 「いや‥今回は一緒に任務に出とらんから、それは拙者にも判らん。ただカカシに届けるように頼まれただけだからな」 「そっか……」 「いつ帰って来よるのかは、直接本人に聞くと良かろう」 「直接本人にって‥そんなん無理だってばよ?パックン」 「無理じゃないからいっとるんじゃ。ほれそこの巻物を開けてみろ」 パックンの視線の先にある巻物を手に取る。すぐには開けずに巻物をしげしげと観察した。 こんな巻物でどうやって先生と逢えんだってばよ? 「ほれどうした、早よう開けんかい」 なかなか中を開けようとしないオレに、しびれを切らしたのか、パックンが早くしろと催促をする。 なんだかよく判んねーけど、取り合えず云う通りにしてみるってばよ。 紐を解いて、中を開いた。さっきみたくいきなり煙が上がんのかと思ってたら、なーんも起こらなくて拍子抜けする。 「なんも‥なんねーってばよ?」 「当たり前じゃ。開けただけでは奴は出てこん。中をよ〜く見てみろナルトよ」 「へ?ああ、なんか書いてあるってばよ‥?」 巻物には大きな丸と中くらいの丸が2個書いてある。 真ん中の大きな丸ン中には"人"って文字が書いてあった。その両脇の丸ン中には"手"って書いてある。 「一体なんなんだってばよ…コレ?」 「いいから、つべこべ言わずその通りにしてみんかい」 オレの頭の上に乗っかったパックンが、巻物を指さす。 なんだかよく判んねーけど、やってみるってばよ 「えーっと‥両手をここに置けばいいんだな‥」 |