♪〜♪〜♪ 携帯からお気に入りの曲が流れる。電話だ。誰からだろう? 「もしもし」 『あ、俺々』 「沖田?」 『おう』 俺々って、詐欺じゃないんだから。でも、電話ごしの彼の声は心なしか少しうれしそうで。 「なんか用?」 『いや、別に』 ちょ、おい!なんで電話してきたんだか!あたしだって沖田の相手してるほど暇じゃあ……ウン、暇だけど! 『いや、お前の声が聞きたかったんでさァ』 「は?」 ハハハ、あの天下の沖田くんがあたしの声が聞きたかっただと?冗談もほどほどにしとけバカ。 「はいはい、冗談ね」 『俺は本気でさァ』 あれ?珍しく真剣?あの沖田が真剣?いや、まさかそんなことは! 『お前は?』 「なにが?」 『俺と話せてうれしい?』 チラリと机に置いてある手鏡を見ると、あたしの口元はだらしなく緩んでいて。あーもう! 「うれしいに、決まってんじゃん!」 『はい、よくできました』 100810 修正 |