午前4時。まだ他の隊士たちが寝ている時刻に俺は1人のそのそと布団を抜け出した。あぁ、めんどくさいこと極まりない!今日から張り込みの仕事で朝から出なければならない。くそう!張り込みの日の朝くらいなまえの料理が食べたかった!


廊下をぺたぺたと歩きながら外を見ると、まだ空は暗くてひゅうと吹いた風は少し肌寒かった。俺はぶるっと身震いをして足早に食堂へ向かった。


食堂に入ると、ふわりといい香りが鼻をかすめて、もしやと思って食堂に駆け込むと、あぁやっぱり。なまえがふあっとあくびをしながら鍋をかきまぜていた。


「なまえ」
「ふあ!?あ、山崎さん?」
「おはよ」



そう言うとなまえはまぶしいくらいの笑顔で『おはようございます』と言った。朝から元気だなぁ。


「いつもこんな早いの?」
「いいえ?」
「じゃあ、なんで」
「なんでって」



なまえはまたニコニコ笑って顔をあげると口を開いた。


「山崎さんが早いから」
「……ばっかやろう」
「ええ!?」



ほんとバカだよねなまえって。俺のためなんかにさ。俺はなまえの腕をグイと引いてなまえを抱き締めた。


「や、山崎さん!?」
「好きだ」



顔赤いなこいつ。見なくても分かる。ほんと、分かりやすいんだから。


「わ、わたしも、好き、です」


あぁ、くそ!こんなんじゃあ張り込みなんてままならねーよ絶対!


「なまえ?マヨはどこ、だ……?」
「げっ、副長」
「うわっ、土方さむ!」
「(さむってなんだ…?)張り込み前にイチャつくなバカ」




100823



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