あ、やばい。傘忘れたぁぁあ!外はザーザーと雨が降っていて、げた箱に折り畳み傘が入ってると信じこんだあたしがバカだった。くそう!あれ壊れてコンビニで捨てたんだった!


さてどうしようか諸君?うーんうーんと頭をうならせても出てくるのは今日の晩ごはんのことばかりだ。カレーだといいな!


「あれ?名字か?」
「あ、桂」
「桂じゃないヅラだ。あ、間違えた」


間違えるんかぃぃい!こいつ本物のバカだ/^^\


「どうしたんだ、そんなうろうろして」
「傘を忘れてしまったのですよ隊長」
「隊長じゃない桂だ」


桂はバカだなとため息まじりに呟くと、いきなり傘を突きつけてきた。


「なに?」
「貸してやる」
「え、ちょっ桂はどうすんの?」
「走って帰る」


そう言ってヅラはあたしに傘を押しつけると外に向かい始めた。


「ちょ、まっ待ちなさぁぁい!」
「なんだ?」
「なんだじゃないでしょうバカ!そんなことしたら濡れちゃう」


桂はまぁな、とうなずいて鞄を持ち直した。いよいよ走る準備だろうか。


「バカ!だから!一緒に入ればいいじゃない!」


そう言うと桂はみるみる真っ赤になって目を泳がせた。分かりやすい人だな。


「…いいのか?」
「いいに決まってんでしょ?ほら早く!」


あーくそう。なんであたしまで赤くならなきゃいけないんだよ!ばーか!


「あ、なんだお前ら付き合ってたのか」
「先生誤解です!」



100815