ガタンガタン。シーソーが、揺れる。バカみたいだ。シーソーなんて1人でやるもんじゃない。それでもあたしはシーソーをこぐのをやめなかった。ガタンガタン 「そこでなにやってる」 足を止めて声のするほうを向くと、長い金色の髪を持った青年が立っていた。 「なに、って、シーソーで遊んでるんだけど」 「オイラには遊んでるように見えねーな」 ガタンガタン。また、足を動かす。疲れた。だけど、あたしは足を動かし続けた。 「おい、話聞いてんのか?」 青年の話は聞こえてる。だけど、答える気なんてさらさらない。青年はあきれたのか、ハアとため息をついた。ガタンガタン。あたしは足を止めない。ふいに、目の端に金色がうつって、ガタンとシーソーが落ちた。 「え?」 「ばっか、シーソーってのは2人でやるもんだろ」 ガタンガタンと揺れるシーソーと、ドクンドクンとうるさい心臓で恋歌を奏でる 101008 |