空を見上げると、宇宙船やなんやらが飛び交っていて、青い空なんてちっとも見えやしなかった。少し前までは、雲1つない青い空も拝めたのに。あたしはやりきれなくなって、ごろりと床に寝そべった。


「おい、そこ邪魔だぞ」
「マヨ方さんじゃないすか」


土方だけどな、と言って土方さんはあたしの隣であぐらをかいた。なんだよ、邪魔とか言っておきながら。


「なんすか」
「いや、たまには空でも見てみようかと思ってな」


フン、空なんて宇宙船で見えやしないじゃないか。土方さんはタバコに火をつけて フー と煙をはいた。


「……空なんてちっとも見えねぇな」
「…そうですね」


タバコの煙に咳き込みながら答えると、頭をガジガシとなでられた。いてっ、痛いっすマヨ方さん!


「でも、まあ、なまえと見れるなら我慢する」
「はあ?」


土方さんは ハハハ と珍しく笑って、もう一度あたしの頭をガジガシとなでてから立ち上がった。もう、マヨ方さんのおかげであたしの髪の毛ぼっさぼさなんですけど。


「どーゆー意味すかぁ!」
「ハッ、自分で考えろ!」



100924