ぴんく色の、かわいいお店のショーウィンドウにあたしの視線は釘付けになる。あたしの視線の先には、ふわふわレースのワンピースが飾ってある。か、かわいい……。うん、かわいいはかわいいんだけど、あたしにはどうせ似合わない。あたしはフイ、と視線をそらして歩き出した。 「あ、なまえ!」 声をしたほうを振り向くと、ナルトが手を振りながら駆け寄ってきた。 「なにしてんの?」 「んー?散歩」 散歩って、相変わらずのんきですね!まぁ、あたしも散歩みたいなもんだけど。 「なまえはさっきこれ見てたけど、なにしてんだってばよ?」 「まぁ、あたしも散歩みたいなもんよ」 ナルトは、ふぅん、とつまらなそうに返事をするとショーウィンドウのワンピースとあたしを見比べて、あたしをそのお店へ引きずりこんだ。 「ちょ、ナルト!なにすんの!」 「すんませーん!このワンピース試着していいですかぁ!」 ナルトは奥にいる店員にむけて叫ぶと、さっさとワンピースをマネキンから引き剥がしてあたしに押し付けた。 「や、だから!なによ!」 「まーまー!とりあえず着てみ!」 ナルトに促され仕方なく試着室に入ってひと息つく。あー、もう!あたしこれ着なきゃいけないじゃん!絶対似合わないのに!もう後に引けなくなって、ワンピースを着た。シャー、とカーテンを開けると、ナルトがにしし、と笑いながら かわいい なんて言うから、げんこつかましてやった。 「似合ってるよ」 「目ぇ大丈夫?」 「大丈夫だよ!」 100922 |